部下 金融危機の影響を受けて合併や再編が続いていたJリートですが、ようやく新しい投資法人が上場しましたね。Jリート市場は発足から10年を超えたばかりですが、実に4年半ぶりの新規上場だそうです。更に6月にも新しいリートの上場が続くそうです。
上司 日銀の買入れが投資口価格の底支えとなってJリートが再び外部成長に動き出したということは、不動産投資市場も転換期を迎えたと見ていいんじゃないか。
部下 Jリートといえば不動産証券化ですね。国土交通省が11年度の不動産証券化の動向(表参照)を発表していました。昨年度は資産額にして2兆3410億円の不動産が証券化され、2年連続で増加したそうです。ピークだった平成19年の8兆8840億円と比べるとその3分の1にも満たない規模ですが、不動産市場が活性化しはじめた表れと受け止めたいですね。そもそも不動産の証券化はどんなところにニーズがあるんでしょうか。
上司 不動産を証券化することについては、事業リスクの分散、資金調達の多様化、出口戦略という効果を不動産事業にもたらしているというのが基本だ。不動産証券化がない時代には、特に大きな不動産事業になればなるほど資本や信用の高い一部の事業者に限られたり、事業規模にも限度があったんだ。
証券化が始まったころは、不良債権処理や企業の財務改善などの目的も多かったようだが、その後、開発事業や賃貸事業といった不動産の主要ビジネスにおいても投資家の資金を広く集めることが普及し、証券化がここまで進むようになった。というのは「不動産証券化ジャーナル」の受け売りなんだがね。
もちろん投資家にも利益が分配されるメリットがある。証券化の代表選手であるJリートは年平均5%程度の運用実績を上げていて、投資家に対する分配金の累計は過去10年で2兆円を超えている。これから年金も期待できなくなるし、老後のための資金運用でJリートが頼りにされるようになるんじゃないか。
部下 11年度実績では、Jリート、不動産特定共同事業、特定目的会社(TMK)、合同会社―匿名組合(GK―TK)スキーム等の不動産証券化4類型の中で、Jリートによる取得が30%増と大きく伸びています。
上司 それについては、ある専門家が投資口価格が上昇して増資がしやすくなったことで資産の取得が活発になったと分析していたよ。
部下 もうひとつ、特定目的会社(TMK)による実物不動産の取得も大幅に伸びていました。
上司 11年に行われた資産流動化法の改正で、資産流動化計画や資産の取得などに係る規制が一部緩められた効果があったということかな。運用会社への金商法の適用や信託受益権化に伴う信託銀行への手数料支払いを回避するため、合同会社のスキームを避けるケースもあるとの指摘もある。今、既存ストックやインフラの再生、更新を促進する狙いで、今国会に不動産特定共同事業法の改正案が出されている。今後、証券化を使った資金調達の流れがこうした分野にも広がっていくのは確実だ。当社もそろそろ証券化ビジネスに取り組んで見る必要があるな。























