米国不動産流通システムに 学ぶ 国交省・小林不動産業政策調整官が見た市場 〈3〉 流通革命につながったMLS 情報提供充実で市場が急成長
住宅新報 2012年6月5日 号 2面
連載: 米国不動産流通システムに学ぶ

MLSデータ相関図
全米には約900のMLS(Multiple Listing Service)が存在する。不動産エージェントへの物件情報搭載ルールの徹底や各種履歴情報サービスとの連携で透明性の高い充実した情報提供を実施している不動産物件情報提供システムだ。第3回は、小林正典不動産業政策調整官が「米国流通革命のキーポイント」と力を込めるMLSの機能や役割を解説してもらう。
MLSはいわば不動産業者の営業支援を行う民間会社だ。地域の物件情報の提供のほか、事業者教育、キーボックスの販売、契約書の標準化、事業者のルール遵守の徹底・指導を行っている。不動産事業者は各地域のMLSに加入しなければ営業できない仕組みで、事業者はほぼ強制的にMLSが定めたルールに従った不動産取引を実施。消費者利益実現に取り組んでいる。
調査を行ったワシントン州の場合、州政府が決定する売主の告知書の様式以外の標準統一様式はMLSが決め、全事業者に使用を義務化。また、物件情報の24時間以内の掲載の徹底やポケットリスティングの禁止(商談中を続けた場合のMLSからの追放などによるステータス管理)、意図的な誇大広告への罰則などを行う。こうしたルールの徹底は、消費者保護を担うと同時に、MLSにおける物件取引に関する情報の高い透明性を維持する役割を負っている。


























