不動産会社・決算 今期は増収増益基調へ 住宅分譲の利益率改善 ビル賃貸、年内底打ちか
住宅新報 2012年5月22日 号 1面
大手不動産5社の12年3月期決算(連結)は、震災による住宅分譲事業の工期遅れなどから減収が目立ったが、分譲事業の営業利益率改善などで増益を確保する動きが主流となった。そうした中、三菱地所はビルの売却収入が増加したことなどから1社のみ増収となったが、マンション売上の減少などが響き、減益となった。東急不動産は11年3月期にSPCを通じたビル売却収入による配当があったことや、分譲マンションの売上減などが響き減収減益となった。ただ、当期純利益はSPC連結に伴う特別損益の関係で大幅な増益を確保している。
今期(13年3月期)業績については、マンション販売の好調維持などを背景に増収増益予想が基調となっている。ただ、オフィス賃料については「年内には底を打つのではないか」といった期待感は出てきているものの、不透明感はぬぐい切れていないようだ。そうした中、住友不動産は12年3月期に竣工した「住友不動産新宿グランドタワー」などの通期稼働と、今期竣工予定の「住友不動産渋谷ガーデンタワー」などの新規稼働が寄与するとして不動産賃貸事業でも増収増益を見込んでいる。
三菱地所が今期、減収減益予想となっているのはビル事業セグメントで12年3月期での物件売却収入がなくなることや、住宅事業でのマンション販売戸数が12年3月期の5482戸から今期は4600戸程度に減少する見込みとしているため。
マンション専業 概ね堅調に推移 用地と建築費上昇懸念も
年度のスタート時は、マンションの販売動向に東日本大震災の影響がどのように出るのか大きく懸念されていたが、「影響は極めて軽微だった。震災の前に立てていた計画と、ほぼ同等の数字を残すことができた」(大京)という声があるように、最終的には想定通りの業績を残せた企業が多かったようだ。住友不動産でも、「モデルルームへの来場者数は引き続き堅調。契約戸数も増加基調」と話している。
今後の懸念材料として挙げられるのは、「マンション用地情報の不足」と「建築費の上昇」だ。どちらもマンションの販売価格を引き上げる要素となるだけに、経済環境の見通しがつかないこの時期には大きな打撃となる。ゴールドクレストの安川秀俊社長は、「(1次取得者向け)マンションの販売状況は、世の中の経済環境ほど悪くはないが、同じ場所で同じマンションを開発したと仮定して、1年前や2年前の価格だと販売は厳しいと思う。やや弱含みの価格に設定しなければ、売りにくい市況だ」と話す。
原価の上昇分を価格に転嫁できないとなれば、ディベロッパー、ゼネコンともに利益率を抑えた我慢の経営が必要となりそうだ。
























