介護事業を展開するメッセージの取締役執行役員。社員としても、事務局長としても仕事に忙しい毎日だ。
大手百貨店で培ってきた人事やマネジメント手腕を買われ、10年ほど前に転職。関西などで中所得者向けの有料老人ホームの開設に携わった。「当時、介護が必要な高齢者が過ごす場所は、高額な有料老人ホームか特別養護老人ホームだけ。あまりにも選択肢が少なかった」。開設したホームはすぐに満室になった。
協会は3年前、高齢者専用賃貸住宅(当時)の運営事業者らの任意団体として発足。「その頃は高専賃に特化した団体がなく、行政との交渉窓口や提言を行う場がなかった」。運営事業者も様々な業界から参入しており、建物やサービス内容にバラツキがあった。良質な高齢者の住まいを普及させていこうと協会版の契約書標準モデルを作成したり、会員からの相談対応などを行ってきた。
そして昨年、高齢者住まい法が改正され、サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)制度が始まった。高専賃などの高齢者向け賃貸住宅が一本化された。ただ「高専賃のときは賃貸借契約のみだったが、今回の改正で利用権方式の有料老人ホームも同じ枠組みになった。施設と住宅の区別など(実態面では)課題が整理されていない」と指摘する。
現在、サ高住の登録戸数は約4万4000戸。「ただ、国の補助金を申請するためにはまず登録が必要。つまり登録物件全てが竣工し、稼働しているわけではない。サ高住の全体像をつかむには後1年くらいかかるのではないか」
「有料老人ホームなどの特定施設では、事業者は常に運営責任者として法律上も入居者を管理・確認することが求められている。そういった宿命を負っている。一方、サ高住の魅力は〝自由さ〟と〝選択できる〟こと。誰に断ることなく外出でき、介護ヘルパーが自分に合わなければ変更することも自由」。
晩年をどこで過ごすのか、高齢者自身が決める時代。選択の幅が広がったことは間違いない。 (井川 弘子)



























