12年公示地価 私はこう見る 〈1面関連〉
住宅新報 2012年3月27日 号 2面
更なる施策拡充に期待 木村惠司・不動産協会理事長(三菱地所会長)
下落率は縮小傾向だが、欧州債務危機など先行き不透明感による影響もみられる。住宅地はローン減税など需要の下支えもあって下落率は縮小したが、復興を支える我が国経済の成長のためにも更なる施策の充実を期待する。消費税引き上げにあたっては、住宅取得時の負担を増やさない措置がとられるようお願いしたい。
地方圏、下落率は依然高い 伊藤博・全国宅地建物取引業協会連合会会長
地価は、全国平均で4年連続の下落となったものの、贈与税に係る住宅減税などの施策による住宅需要などで下落率は縮小傾向が見える。しかし、地方圏の下落率は依然として高い状況だ。資産デフレ対策は喫緊の課題である。現在、消費税率の引き上げ法案の対しても、国民の住宅取得時の負担をこれ以上増やさないように、提言活動を展開している。
有効な施策速やかに 川口貢・全日本不動産協会理事長
全国的に4年連続の下落となったものの、その下落率は縮小し、住宅地、商業地ともに一部で地価上昇地点も見られるなど、住宅ローン減税などの施策の効果が表れているのだろう。東日本大震災の影響については、被災地を除いて比較的早期に回復傾向が示された。しかしながら、未だ復興の先行きは不透明である。政府におかれては、有効な施策を速やかに実行し、日本の再生に全力で取り組んでいただきたい。
流通市場拡大へ支援を 袖山靖雄・不動産流通経営協会理事長
4年連続の下落となったが、下落率は縮小傾向を示した。東日本大震災の影響で不動産市場は一時停滞したが被災地を除き、地価は比較的早期に回復してきた。経済への影響が懸念された事案は回避されつつあり、震災復興需要による経済の回復が期待される。既存住宅流通市場の拡大に向け、継続的な政策支援を要望したい。
住宅取得者に好環境 菰田正信・三井不動産社長
下落率が縮小するなど地価は改善傾向にある。政府による諸施策の継続や低金利などにより住宅取得検討者にとって良好な環境が維持されている。また、防災面、環境面に配慮されたビルなどへのニーズも高まり、オフィスマーケットも回復基調になりつつある。不動産投資市場も投資家の投資意欲が高まってきている。
回復に期待感 小野寺研一・住友不動産社長
東京のオフィスビル市場では、防災機能が優れたビルへの移転需要などで市況は底入れしつつあり、年央からの回復が期待できる。分譲マンションの販売も底堅い推移で、用地価格は既に上昇しているというのが実感だ。年明け以降、株価は上昇に転じたが景気の先行き不透明感は払拭しきれていない。政府には住宅需要刺激策の継続・拡充を期待したい。
市場の動きを反映 中井加明三・野村不動産ホールディングス社長
分譲住宅市場は、東日本大震災発生後、一時的に供給戸数が減少したものの、昨夏以後は順調に回復してきた。不動産投資市場は、欧州債務危機問題などから昨年後半は低迷したものの、年明け以降、株式相場の回復と共に投資口価格の上昇も見られる。地価公示における下落幅縮小は、こうした不動産市場の動きを反映したものであり、今後も重要な指標として注視していく。
下げ止まりの兆し鮮明 佐久間一・東京建物社長
日本経済全体の先行きはまだ予断を許さないが、不動産市場では、住宅分譲が販売も流通も回復傾向にある。オフィス賃貸も今後は空室率改善が期待できる。これらを背景に今回の地価公示は地価の下落率が縮小し、下げ止まりの兆しが鮮明となっている。
回復傾向の認識 金指潔・東急不動産社長
サプライチェーンの回復と需要の顕在化により、前向きなマインドが戻ってきたと感じる。賃貸市場は都心部でオフィスの賃料調整が進み、災害時の対応性の高いビルへの移転などの動きにより、一部空室率が改善したエリアも見られた。景気の不透明感は残るものの、都心部のオフィス需要の顕在化や店舗の出店意欲については、遅行しながらも回復傾向にあるとの認識だ。
地価底入れ加速へ 森章・森トラスト社長
下落に転じた09年以降で最も低い下落率で、地価は底打ちへ向かっている。都心部におけるオフィスビルの新規供給増にともなう需給ギャップなど楽観視はできないが、実態経済が伴えば地価底入れは加速する。東京の不動産は安定資産として世界でも有力な投資対象だ。余剰資金を東京に引き込むには諸制度を含め、東京をアジアのヘッドクォーターとしてブランド付けする戦略が必要だ。


























