ゆとり世代をトップ営業マンに育てる術(5) 「情報提供型営業」はマニュアル型
住宅新報 2012年3月6日 号 9面
■各プロセスを細分化して教える
前回は、根性論に偏った前時代的な営業に代わるものとして、「情報提供型営業」を推奨した。この営業スタイルは、継続的にお客さまの問題解決につながるような情報を提供することを旨としている。
メリットとしては、大きく2つ挙げられる。1つは、提供する情報がお客さまの不安、問題の解消につながるものであるから、お客さまとの信頼関係を築けるということだ。しかし、信頼関係は一朝一夕には成らないから、「継続的」である必要がある。その積み重ねによってお客さまが徐々に心を開いてくれる。
この点、「継続的」に商品案内ばかりを送りつける営業と比較してみよう。これはあくまで送り手の都合によって行われている行為であることを自覚しなければならない。信頼関係はおろか、情報に目を通してもらうこともできないのがほとんどではないだろうか。
もう1つのメリットがライバルの少なさだ。前回も触れたように、情報提供型営業はお客さまのニーズが潜在化している内に動き出す。ニーズが顕在化するころには、ある程度の信頼関係を構築しているから、顕在化の時点から営業攻勢をかける他社との差は歴然としている。
■営業スタイルが「ゆとり」にマッチ
さて、情報提供型営業と、ゆとり世代との親和性である。前回、この営業スタイルにゆとり世代を投入することで、彼らの成長を効果的に促せると書いた。それはなぜか。この疑問に答えるには、再度ゆとり世代の特徴を確認しておく必要がある。
ゆとり世代にはいくつかの特徴があるが、今回は「マニュアルや答えをすぐ求める」という点に着目したい(他の特徴については次回以降触れていく)。
確かに、飛び込み営業にはゆとり世代が好むマニュアルは存在する。それは非常に厳格かつ緻密で、営業マンの第一声に始まり、相手がこう言ったら、自分はこう答えるといった想定問答集のようなものだ。目的はどこまでも「売る」ことにあり、つまり自分本位の営業ということだ。
ここに信頼関係が成立することが困難なのは、容易に想像できるだろう。だから成果が出ることも稀だ。従って、「すぐ答えを求める」ゆとり世代に合ったやり方とは思えないし、そのマニュアル自体が時代に合っていないと言うことができる。
■目標とゴール 各段階で設定
一方で、情報提供型営業にも明確なマニュアルは存在する。飛び込み営業のマニュアルとの最も大きな違いは、その目的が「円滑な情報提供」にあることだ。
情報提供型営業では、営業活動を細分化して行動する。見込み先の発掘、フォロー、契約提案といった営業プロセスに細かく分け、それぞれのプロセスで為すべきことをマニュアル化している。また、プロセスごとに成果と考えるべき事柄を明確に設定している。
つまり、段階ごとにやるべきこととゴールがはっきりしているということだ。これだと成果を実感しやすいから、営業もやっていて楽しい。すると、行動量が更に増えるという好循環が生まれる。情報提供という質とマニュアルによる量、これが情報提供型営業の強みである。
ゆとり世代の上司は営業の質と共に、どうすれば彼らの行動量が増えるかを考える必要があるだろう。次回は、ゆとり世代の別の特徴から、情報提供型営業との親和性を更に探っていきたい。
(ブレインマークス代表取締役・安東邦彦)※本連載は月に1回の掲載です。
























