「七つの倉より子は宝」 松岡英雄 新住まいのことわざ(103)
住宅新報 2012年2月14日 号 12面
連載: 新住まいの「ことわざ」
昔のお大尽の家には必ず倉があった。白壁となまこ壁の組み合わせはたいへん美しく、子供心にも憧憬の念で眺めていた。戦後の貧しさの中で生きていた子供にも、倉は富める者の象徴であることがうすうす感じられていたのであろう。
娘ふたりがまだ小さいころ、二段ベッドを買った。しかし、実際に上下で使用した期間は短く、ふたつに分離して使用していた。大きくなってからもそれに寝ていた。少し大き目だったのでそれが可能だった。
そのうち、下の娘が嫁いで行ったので、ひとつは分解して保管していた。そのあと10年ほど、かたわれを長女が使用し続けた。無頓着な娘で、ちゃんとしたベッドが欲しいとも言わなかった。






















