「軒を貸して母屋を取られる」 松岡英雄 新住まいのことわざ(100)
住宅新報 2012年1月24日 号 12面
連載: 新住まいの「ことわざ」
近頃は軒の深い家が少なくなってしまった。
狭い敷地を有効に利用しようとすれば、軒や庇を浅くせざるを得ないし、また、技術の進歩により、風雨に強い壁や窓ができたおかげで、それほど軒先を必要としなくなったという理由もあるのだろう。したがって、今では、突然の雨に軒先を借りる、という光景もあまり見られなくなってしまった。
「ご当家、軒下の仁義、失礼ですがおひかえくだすって。早速ながらご当家三尺三寸借り受けまして、稼業仁義を発します…」これは東映映画『昭和残侠伝』(71年)の中で池部良演じる渡世人が切った仁義である。「わたくし、生まれも育ちも東京葛飾柴又です。姓は車、名は寅次郎、人呼んでフーテンの…」は寅さんの仁義。






















