ゆとり世代をトップ営業マンに育てる術(3) 時代に即応したスタイルを
住宅新報 2012年1月3日 号 7面
この連載の眼目は、「ゆとり世代を何とか一丁前の営業マンに育てる」というところにある。
つまり、「ゆとり世代」を語ろうとするとき、そこには、「どうにも扱いづらいゆとり世代」「そのままではビジネス世界で通用しないゆとり世代」といったニュアンスがすでに含まれている。
ゆとり世代に対するこうしたとらえ方は、それより上の世代が「これまで我々が採ってきたビジネスのやり方が絶対的に正しい」という考えに立っていることから生じている。
しかし、ここで立ち止まって考えてほしい。全面的にゆとり世代の肩を持つつもりは毛頭ないが、果たして「これまで受け継がれてきたビジネスのやり方が絶対的に正しい」というのは本当だろうか。
例えば、私は営業職として自身のビジネスキャリアをスタートしている。入社して早々、先輩社員にくっついて得意先を回り、営業を実地で学んだ。この期間は一週間である。さて次の週からは「お前ひとりで行け」とこうである。
■これまでが「絶対」か?
こうした「仕打ち」に対して、私は「気合と根性」で乗り切った。エリアでトップの営業成績を上げるに至ったのである。自慢話をしようとしているのではない。
こうした経験を経て、その後も誇りをもって営業一筋に生きてきて、今にして強く思うのである。「受け継がれてきたビジネス手法が絶対ではない」と。
実際、今でも「飛び込み営業が度胸をつけるのに一番」「売れるまで帰ってくるな」といった営業スタイルを堅持する会社も多い。
しかし、日本国内のインターネットショッピングの市場が今や約8兆円規模にまで成長した一事だけをとってみても、気合と根性の営業スタイルが絶対的なものとも、時代に合致しているものとも到底思えないのである。
私は、ゆとり世代を一人前の営業マンにしたいのなら、ゆとり世代を矯正するよりも先に、これまでの精神論に偏った営業手法を見直し、集客から契約までの一連の流れを「仕組み」として再構築することをお勧めする。
■『特性』生かす方法を
ゆとり世代には、(1)失敗を極端に恐れ、間違いのない答えを求める。(2)自分から動き出せない。(3)まじめで言われたことはきちんとやる――といった特徴があると前回紹介した。こうした世代に「一人でやってこい」と言ったって、うまく行くとは思えない。成績も上がらないだろうし、本人たちも営業の楽しさを感じられないだろう。
そうではなくて、例えば集客に関して、お客さまのニーズを徹底的に調査し、お客さまが本当に欲している情報を継続的に提供することで自社のファンに育てるという方法に仕組み化したらどうだろう。
この役割を彼らに与え、その目的もきっちりと説明する。「言われたことはきちんとやる」のだから向いているのではないか。それで成果が出れば、営業の醍醐味を知るだろう。
営業を時代に合致した仕組みに再構築しつつ、ゆとり世代をうまくその仕組みの中に配置する。ゆとり世代を無理やり矯めるのではなく、仕組みの中で育てるのも一手である。
よく「経営は時代に即応しなければならない」と言われる。しかし考えてみれば、ゆとり世代も時代の産物である。ゆとり世代だけは別というのは、理屈が通らないのではないか。
(ブレインマークス代表取締役・安東邦彦) ※本連載は月に1回の掲載です。
























