「力を合わせ大きなことを」 中古流通の異業種連携ネットワーク「リノベる。」代表取締役社長 山下 智弘さん
住宅新報 2011年12月13日 号 2面
連載: ひと
ジグソーパズルのピースをかたどった名刺。同社には、この名刺でなければならない理由がある。
顧客主導のリフォームを前提とした中古住宅購入を提案する、異業種連携ネットワーク「リノベる。」を設立したのは2年半前。住宅ローンと同等の金利、返済期間といった条件を適用する、リフォームローンがその要だ。内装を複数のバリエーションから選ぶ仕組みにして工事内容を明瞭にし、リフォーム部分の担保価値を証明。民間金融機関での商品化を実現したものである。2本立ての契約だが、顧客からすると、物件購入費にリフォーム費を含めた形でローンを組むのと変わらない。実用性の高さが注目され、ネットワークに加盟する仲介業者の数は間もなく100に届く。
以前は、ゼネコンで新築マンションの企画を担当していた。だが、「間取りを反転させるくらいしか工夫の余地がない。自然素材では当たり前の、狂いやずれもNG。自分が魅力的と感じない家をつくることが、正しいとは思えなくなった」
その後の行動は早い。店舗設計を手掛ける事務所に転職し、3年後には独立。中古マンションにも、遊び心あるデザインを取り入れたいとの思いがあった。
しかし、そのうち残酷な現実と向き合わざるを得なくなる。「優秀なデザイナーや職人は、他にいくらでもいる」。が、そう自覚した瞬間に道が開けた。「彼らと協力し合えば、すごいものが生まれる。自分は仕組み作りに徹しよう」。「リノベる。」の構想はこうして生まれた。
逆境をばねにする強さは、生まれつきというわけではない様子。学生時代ラグビーに打ち込み、企業の実業団入りするほどの実力を誇った。「当時の自分にはそれしかなく、挫折した時はそれこそしばらく立ち直れなかった。もう、簡単にはへこたれません」
得たものは、不屈の精神だけではなかった。ポジションごとに適性が異なり、1つでも欠けると勝負にならないラグビー。1つひとつのピースは小さいが、組み合わせると壮大な作品に仕上がるパズルに、どこか似ている。 (鹿島香子)


























