「売り家と唐様(からよう)で書く3代目」 松岡英雄 新住まいのことわざ(93)
住宅新報 2011年11月29日 号 18面
連載: 新住まいの「ことわざ」
昨年3月、退職するときに、マンション管理会社の二代目社長さん数人が集まって送別会をしてくださった。マンション管理業界もディベロッパー系の管理会社を除けば、業績を維持拡大していくことは大変であるが、独立系の二代目社長さんたちは堅実に経営を引き継いでおられた。40代の働き盛りの社長さんたちは、業界を去っていく私の目には本当に頼もしく見えた。
製紙会社の三代目が百億円以上の会社の金をカジノなどですったという。いくら創業家の御曹司だからといっても、上場企業の金が自由になるとは思えないが、現実には浪費されていた。この三代目に釘をさす人は、家にも会社にもいなかったのだろうか。
表題は、初代が苦労して築いた家・財産も、三代目が受け継ぐころになると遊芸で身を持ち崩し、自分の家を売りに出すようになる。そのために書いた「売り家」という札が中国風の書体でしゃれており、商売を留守にして遊び暮らした生活がしのばれるという意の川柳。『名家三代続かず』『三代続けば末代続く』という言葉もある。要するに、三代目が鍵を握っているのである。






















