「親孝行と火の用心は灰にならぬ前に」 松岡英雄 新住まいのことわざ(92)
住宅新報 2011年11月22日 号 18面
連載: 新住まいの「ことわざ」
年金の支給開始年齢を65歳から68歳に引き上げるという厚生労働省案については、来年の通常国会には法案提出はしないということになったが、いずれ再浮上してくることは間違いない。年金は入りと出との兼ね合いだから、悩ましい問題である。
昔は老いた親を子供が扶養していた。家族が扶養していた。戦後、家族主義から個人主義に移っていった。学歴社会になって、人口が大都市へ集中した。少子化にもなった。結局、親の面倒を子が看られなくなってしまった。看なくなってしまった。年金制度は図らずもそれを補完する制度になった。
日本の住宅の部屋の仕切りは、襖や障子だった。人が集まるときはそれを取り外せば大広間になった。それは、先人の知恵である。それが、壁とドアで仕切られた個室が中心になった。木からコンクリートに変わってきた。家族主義が個人主義に取って代わられたのは、主に教育のせいであるが、住宅の変化も影響しているような気がしてならない。






















