「強まる利上げ基調」 Jリートを待つ「借り換え」正念場 債券市場へのアクセス力で明暗
住宅新報 2026年9月8日 号 1面

(出所)ニッセイ基礎研究所 ※注:2026年は1~8月
Jリート市場は、25周年の節目を迎えながら、新たな局面に入りつつある。これまで市場を見る際には、保有不動産の質や賃料の伸び、分配金利回り、NAV(純資産価値)などが主な物差しとされてきた。だが、金利のある世界が定着しつつある中で、向こう12~18カ月のJリート市場を左右するのは、それだけではない。「次の満期を、どこから、いくらで借り換えられるのか」。債券市場をはじめとする資金調達市場へのアクセス力が、これまで以上にJリート各社の実力を映し出すことになりそうだ。(中野淳)
Jリートは一般の事業会社とは資金構造が異なる。利益の多くを投資家に分配するため、内部に資金を積み上げにくい。物件から安定した賃料収入が得られていたとしても、債務が満期を迎えれば、銀行借り入れや投資法人債の発行によって借り換えていかなければならない。
格付け大手によれば、格付け対象企業の総負債の56%が2026年以降に満期を迎えるとされる。つまり市場環境が悪化した際、金融市場が開いているかどうかは単なる調達上の利便性ではなく、特に債券市場に依存するJリート経営そのものを左右する問題になる。足元のJリートを取り巻く事業環境そのものは必ずしも悪くはない。オフィスや住宅を中心に賃料は上昇し、不動産価格や分配金も底堅く推移している。一方、その商品性はいま改めて試されている。22年末以降、株式市場が大きく上昇したのに対し、Jリートの投資収益は伸び悩んだ。不動産賃料や不動産価格、分配金が上昇しているにもかかわらず、投資口価格(株価)が低迷してきた大きな要因が金利上昇だ。借入金を活用して不動産を取得するJリートでは、資産価格や賃料が上昇しても、調達金利の上昇が利益を圧迫する。
金利とDPUの綱引き













