不動産ノウハウ生かす 新領域の系統用蓄電所ビジネス
住宅新報 2026年3月3日 号 1面
再生可能エネルギーの主力電源化が進んでいる。一方、天候などで出力が変動しやすく、電力需給をならす「調整力」の確保が課題にある。そこで、注目されている「系統用蓄電所」は、新たな電力インフラとして、電力需要が下がりやすい時間帯に充電し、需要が高まる時間帯に放電して需給の偏りを平準化する。安定供給と脱炭素を下支えする。ただ、制度や市場ルールの変更、機器調達、電力系統への接続、運用の巧拙など、電力領域特有のリスクも抱える。国の政策や制度を踏まえ、適地の確保から資金調達、投資判断、関係者の調整、合意形成まで、長期の視座で束ねる力が問われる観点で、不動産事業者の参入余地が広がっている。(坂元浩二)
試される総合力
三重・松坂で、1月27日に1つの系統用蓄電所が竣工した(写真)。手掛けたのは、ADワークスグループ子会社で収益不動産事業を推進するエー・ディー・ワークス(東京都千代田区)で、2025年4月の新規事業参入表明後の1年で実現にこぎつけた。用地の選定と取得、設備投資を行い、蓄電した電力をJEPX(日本卸電力取引所)などの市場で売買する。
同社事業企画部門インフラアセット事業部部長の岩田隆志氏は、「グループは創業140周年を迎え、本業の不動産業では領域を拡大している。今後の一層の自社成長のため、新たな事業の柱に成長すると見込み、参入を決めた。従前の不動産業務で培ってきたプロジェクトマネジメントの知見やノウハウを生かせる親和性のある領域でもある」と説明する。





























