「土地を手放す」ニーズ顕在化 相続土地国庫帰属法、施行2年 対象は限定的、民間補完も質に課題
住宅新報 2025年6月3日 号 1面
2023年4月27日の「相続土地国庫帰属制度」開始から2年余りが経過した。その名の通り、相続により取得した土地を一定要件の下で国に帰属させられるという異例の制度で、これまで継続的に利用実績が増え続けており、「相続土地の放棄」への高いニーズを顕在化させた。他方、対象となる土地は限定的であり、同制度を利用できない土地も多い。そこで、民間事業者に対価を払い土地を手放す「不動産引取サービス」も、同制度の開始後に急拡大している。それぞれの概要と現状を中心に、「土地を手放すということ」の現在地を追った。(佐藤順真)
承認件数は1586件
「相続土地国庫帰属制度」は、「相続等により取得した土地所有権の国庫への帰属に関する法律」(21年4月21日成立)に基づき、それまで単独では放棄できなかった「相続土地」を、有償で国に帰属させられる制度。「所有者不明土地(不明地)」や「管理不全土地」の増加と深刻化を受け、現実的な手段で「土地を手放す」ことを可能にしたという点で、大きな転換点となった制度とされる。
法務省によると、25年4月30日現在までの「申請件数」は3732件、実際に承認された「帰属件数」は1586件(いずれも速報値)。同省民事局民事第二課の前屋敷慶不動産登記第四係長は「申請は月平均140件程度で、継続的に届いており、ニーズは少なくない」と語る。





























