商業用不動産データ分析基盤「estie マーケット調査」などの不動産DXサービスを提供するestie(東京都港区)は、価値総合研究所(東京都千代田区)と協働し、2025年度不動産サステナビリティセミナー「オフィスニーズの潮流と賃料のグリーンプレミアムについて」で、オフィスビル賃料のグリーンプレミアムに関する共同分析結果を発表した。
テナント企業の環境配慮・ウェルビーイングに関する意識変化を踏まえ、「環境不動産認証」の取得が「オフィス賃料」や「リーシング期間」に与える影響について、東京23区内の募集データを基に分析した。その結果、環境不動産認証を取得したビルでは、募集賃料が上昇し、リーシング期間が短縮する傾向のほか、環境配慮や「働きやすさ」を重視するテナントのニーズとの関係性も示唆されたという。
同検証では、estieの提供データを用いている。オフィス募集データを対象に、傾向スコア法や操作変数法など複数の方法を組み合わせて推定した結果、東京23区内に所在するオフィスビルの場合、環境不動産認証を取得したビルでは、募集賃料が約7・2%上昇し、リーシング期間は約25・4%短縮する傾向が示された。
環境性能以外のビル要素にも分析範囲を拡張すると、レジリエンスやウェルビーイングなどの非環境要素についても、賃料に一定の寄与が見られた。テナント企業は、環境性能だけではなく、働く環境の快適性や安全性、多様性への配慮といった複合的な価値を重視しながらオフィスを評価している可能性がある。
同社では、「サステナビリティや人的資本投資の重要性が高まる中、オフィスは単なる執務空間ではなく、従業員体験や組織文化の形成、人材獲得力の向上に寄与する〝経営資源〟として再評価されている」と総括している。



