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4月・景気動向 不動産は4カ月ぶりに悪化 帝国DB調べ

 帝国データバンクの4月・景気動向調査によると、全体の景気動向指数が5月連続で改善したものの、9業種のうち「不動産」の景気動向指数は前月比0.4ポイント減と悪化した。政府による住宅取得支援策などが好材料に、都市部を中心に不動産取得意欲の回復が見られたが、新年度入り後の需要の動きは弱く4カ月ぶりに悪化した。
 全体の指数の改善幅は、前月の2ポイントから同月は0.2ポイントに縮小し、内需の回復スピードが鈍化。同社では「国内景気は復調を維持したものの、回復力の弱さが浮き彫り」と分析している。9業種のうち悪化したのは不動産と製造の2業種で、建設は横ばいだった。
 「消費増税の駆け込みと思われる住宅用地の需要がでてきた」(不動産売買)という市況底上げの指摘があった一方で、「企業経営者が今後の展開に慎重で、賃借決定までの時間が長くなっているように感じる」(不動産賃貸)、「首都圏と地方都市には格差があり厳しい」(不動産売買)、「電気代値上げでさらに圧迫」(貸事務所)といったマイナス面を懸念する声が見受けられた。