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社説 高齢化率40%の恐怖 地場不動産業が日本を救う

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 高齢化問題を論じるとき、しばしば登場するのが〝団塊世代〟だ。しかし、超高齢化で日本が本当の危機を迎えるのは、団塊世代の大半がこの世を去る40年以降である。

 高齢化率は40年に36%を超え(現在26%)、60年には40%に達する見込み。75歳以上の後期高齢者だけで、全人口の27%を占める社会である。

 一方、全世帯に占める単身世帯の比率は40年以降は4割台に定着し、50年には42%となるが、その過半(55%)が高齢者の一人暮らしとなる。

 こうした未来社会を一層暗くしかねないのが、空き家の増大である。野村総研の予測によれば40年には空き家率が36~40%に達しているという。

 地域に住む高齢者には散歩が欠かせないが、40年以降になると、散歩中に通り過ぎる家並みは10軒に4軒が一人世帯、その半数が高齢者。また3軒に1軒以上が空き家という風景になる。

 今のように地域のコミュニティが希薄なまま、このような状況に突入したら、日本は恐ろしいほどの〝孤立社会〟になるのではないか。では、どうすべきか。

 今こそ、地域に根を張る不動産会社の出番である。まずは、薄れる一方のコミュニティの醸成から始めてはどうか。その際に活用したいのが、〝増え続ける地域資源〟といわれる空き家である。

 不動産業はサービス産業だが、今後は〝モノづくり〟の視点も欠かせない。空き家を地域活性化のためのハコに変えるのである。

 空き家は単なるハコだが、そこに地域のコミュニティ拠点となる機能を詰め込む仕事がまず第一に重要になる。

 例えばシェアハウスや、仕事で親が家にいる時間が少ない子供のための〝子供食堂〟、近隣農家の野菜直販所、常設フリーマーケットなどが考えられる。いずれも、運営・管理が成否を決めるハコづくりである。そうしたオペレーションは地域に精通した者でしか担えないだろう。

 第二に考えるべきは地域住民の生活コスト低減だ。地主や自治体から定期借地権で未利用地(空き地)を借り、高齢者向け住宅(施設)や、若者向け賃貸住宅を建てれば、安い家賃で入居できるから、定住人口が増える。地元出身の若者に〝Uターン〟を推奨している自治体と連携すれば成功の可能性が高まる。  

 第三の仕事は、多世代共生型の地域づくりである。単身世帯が4割を占め、その過半が高齢者の一人暮らしという社会に向かうのだが、高齢者が弱者とは限らない。70~80代になっても社会で指導的立場に立っている人も多い。空き家を交流拠点として活用し、多世代で〝自助〟と〝互助〟を柱とした社会づくりを目指すべきである。

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