60歳からの住宅ローン【リ・バース60】累計申請件数1万件突破

様々な不動産情報が盛り沢山!

スタンダード会員限定火事!所有者の民事責任は?(長倉)

不動産テック・DX

1・重い所有者の責任

 平成13年に発生した、新宿歌舞伎町ビルの火災では、被害者の遺族が損害賠償請求訴訟を起し、ビル所有者らが計約8億6千万円を支払いました。では、一般的な賃貸マンションやアパートの場合はどうなのでしょうか?今回は火災時の、賃貸建物所有者の民事責任(損害賠償責任)について考えてみたいと思います。

2・土地工作物責任

 まず一般論として、建物に問題があって、他人に危害などを与えたときは所有者が責任を追うことになります。専門的には「土地工作物責任」と言います。所有する賃貸建物に不備があり、それが原因で他人に損害を与えれば、所有者が損害を弁償しなければなりません。

 例えば、マンションのタイルが剥がれて落下し、通行人に怪我を負わせた場合、まずは、そのマンションの占有者である管理者が、管理者に過失がない場合にはマンションの所有者が、損害賠償責任を負担する可能性があります。

※民法717条(第1項)『土地の工作物などの占有者と所有者の責任』とは?

 家屋やブロック塀などのような土地の工作物の建造や保存に不完全な点があって、他人に損害を与えたときは、まず、その占有物の住人や管理人のような占有者が、損害賠償の責任を負う。もしこれらの占有者が、損害を起こさないように十分な注意をしていたにもかかわらず、損害が発生したときは、工作物の所有者が最終的に責任を負い、その損害を賠償しなければならない。

3・建物設備の不具合が出火原因で、借主に被害が発生したら?

 まず、「その設備は誰が占有管理しているか」ということが問題になります。裁判の例として、天井裏に設置された建物と一体の電気配線が熱を発して火災になり、建物を使用できなくなったケースでは、建物所有者の責任(土地工作物責任)が認められ賠償を命じられました。この場合は契約不履行による損害賠償義務も認められる可能性もあり、もし犠牲者が出れば、新宿歌舞伎町ビル火災の所有者と同じ運命になる可能性があります。

4・法律で設置されるべき設備が付いておらず、借主に被害が発生したら?

 例えば、「火災警報器」がその例です。火災警報器は遅い地域でも2011 年5 月までには、すべての住宅の寝室などに設置しなければなりませんでした。消防法の改正によって設けられた義務ですが罰則があるわけではないので、期日が過ぎた現在でも取り付けない賃貸住宅があるかもしれません。しかし、万一のことがあれば、消防署の改善命令を無視した新宿歌舞伎町ビルと同じで、建物所有者は厳しく罰せられ、重大な責任を負うことになります。

5・リスクを回避するためには・・・

 消防法に基づいて点検と報告を行い、改善命令があればしっかり対処しておくことが重要です。建物設備がどんなに完璧でも火災は起きますし、被害は出るでしょう。しかし、そのような不可抗力であればオーナーの責任は問われません。備えをしっかりしておくことが重要なのです。

世の中。99.9%仮説の世界

長倉連治(マイアドバイザー 登録)

明治大学工学部建築学科卒業後、建設会社に入社。現場管理・不動産の企画開発・分譲マンション事業に携わる。その後、不動産・建設会社等で、不動産の有効利用を専門に、多数プロジェクトを手がける。現在は、行政書士・マンション管理士・国土交通大臣登録証明事業不動産コンサルティング技能登録・宅地建物取引主任者 ・測量士補等の国家資格を生かし、不動産に関するコンサルタント業務を中心に行う。

現在、川崎の建設会社「山根工務店」で、主に不動産のコンサルタント業務に携わる。
行政書士熊谷・長倉合同法務事務所(共同代表)

山根工務店ホームページ http://www.yamane-koumuten.co.jp/index.html

キーワード

求む!買取物件 価値ある中古不動産の売買はムゲンエステート住宅新報別冊 不動産テック.BIZ Vol.14 最新号発行 不動産×ITの最新トレンドをお届け会員会社(賛助会員を含む)のプレスリリースを一元的に集約・掲載する情報発信サイト マンション管理プレスリリースセンター

関連サービス