ビジネスに活かすSNS ソーシャルメディア活用術(2/2)
連載: インターネット特集
このユーザー目線に立ったページの反応は大きく、現在約4500万回「いいね!」ボタンが押されている。ここにはイベント情報や商品、ノベルティなどの情報について常時配信され、企業活動などのページにも飛ぶことができる。フェイスブックには、友達の誕生日がわかるために、友達登録している人に「Happy Birthday」のメッセージを自動で送ることもできる。もちろんユーザーが意見も書き込むことができる。
コカ・コーラは世界的なブランドとして知られる。優れたブランドは、ユーザー自身がその商品や会社について独自のブランドを持っている。コカ・コーラのブランドはコカ・コーラ社だけのものではない。世界中のコアなユーザーとつながることで、コカ・コーラはブランドを構築し続けている。

コカ・コーラファンの非公式ページが本社の目に止まり、公式ページに採用
WEBやSNSを利用する人間心理を考える
何事も目的を明確化することは大事だ。もう1つ重要なことはソーシャルメディアやウエブを活用する際の人間心理である。
人がインターネットを活用するのには何か理由があるからである。インターネットはテレビとは違い、検索やクリックなどアクションを起こしていかないと展開しない能動型のメディアである。また誰もが情報を発信できる場であるため、その内容は玉石混交だ。
したがって、まず閲覧者に関心を持ってもらい、納得してもらえる内容やつくりにしなければならない。
一般に企業が顧客とのつながりを強化していことをエンゲージメントというが、ソーシャルメディアはこのエンゲージメントに向いている。
ネガティブも強みに 接触率が増えれば魅力的に思う「ザイオンス効果」
まずは接触頻度を上げることだ。人は何度も接触しているものに次第に親近感を抱く。「ザイオンス効果」と呼ばれる心理法則だが、有名企業が立派な公式サイトがあるのに、商品ごとのサイトやブログ、フェイスブック、ツイッター、動画サイトなど複数のメディア展開するのは、この接触頻度を上げ親しみをもってもらうためだ。
信用度を上げるにはどうすればいいか。それには大学や著名な知識人などの権威筋をうまく利用する方法がある。自社の商品や自身の紹介などに専門家や大学教員などのコメントが貰えればベストだが、現実的には難しい。
信用力アップに有効引用ありのハロー効果
その場合は、企業紹介や運営方針、商品開発の意図などに本などからの引用を使うのも手だ。たとえば「Aという商品の開発のきっかけは、ある本に書かれた◯◯という考えに惹かれたからで、その提唱者ジェームズ氏によれば、◯◯は△△において◆◆な効果を発揮するということです。この◯◯理論を今回、◎◎大学のヤマダ教授の『◎◎方式』によって検証し、開発しました」などと、その開発背景に割り込ませることで信頼度を上げることもできる。
こうした専門家や権威筋の「威光」によって、評価がかわることを「ハロー効果」というが、広告業界などでは広く使われている。
一貫性、整合性も重要だ。同時に入った複数の情報が干渉し混乱させる心理状態を「ストループ効果」と呼ぶが、ウェブ、ソーシャルメディアでもしばしば見られる。
「若手の実力が発揮できる職場」といいながら、掲載されている写真には社長や管理職の顔写真しかなかったり、「美室」とありながら、古めかしい外観の写真が載っていたりなど閲覧者が「??」と混乱してしまうケースだ。
忘れてはいけない利用目的と人間心理
企業が自社や自社製品をアピールする際には往々にして、いいところだけを発信しようとしがちだ。しかし「全く素晴らしい商品」「非の打ち所がない人物」と言われれば言われるほど、疑心が広がる。受け手に信用してもらうためには、ネガティブな面、劣っている面も出したほうがいい。
その上でどこなら負けないのか、優れているのかを説明する。とくにソーシャルメディアでのコミュニケーションでは、ネガティブなことも素直に出したほうが、信用度、好感度もアップする。コミュニケーションにはいい面、悪い面がある。「両面開き」で臨みたい。
インターネットを利用した情報ツールやソーシャルメディアは今後も確実に増える。新しいメディアの情報や活用法を知ることは必要だ。ただ目的やそこにかかわる人間心理を忘れてはいけない。メリットが生まれないどころか、デメリットが生まれることもあるからだ。アカウントを取る前に少し考えておきたい。
(フリーライター 佐藤 聡)
























