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スタンダード会員限定大京が、来場者が単独でモデルルーム見学可能なシステムを開発!?

不動産テック・DX

■システム導入の背景

今回の取り組みは、来場者の要望に応えたものだとあります。その要望とは、「説明が長い」「自分のペースで見学したい」など、なるほどユーザーからよく聞く話です。ARシステムに似たものでは、美術館や博物館でおなじみの音声ガイドシステムがあります。これは大変便利で、設置されているところでは、私も必ず利用しています。

大勢の見学者がいる美術館や博物館では、担当者が説明してまわることは考えられません。音声ガイドをイヤホンで聞けば、他人に迷惑はかかりませんし、混んでいて作品の説明プレートに近づけないストレスも緩和されます。説明キャプションだけでは伝えきれない情報が、すべての利用者に同品質で解説され、メリット大。さらに、繰り返し聞くことができたり、作品ごとの滞在時間が自由にできたりなど、自分のペースで見学できる点も、嬉しいシステムです。

今回導入されたARシステムは、フローリングやキッチンなど、モデルルーム内の8か所にARマーカーを設置。それぞれの商品の特長紹介の映像が30秒程度流れるそうですが、音声がついてくるのも、時間の問題かもしれません。見学者は、気になる箇所でのみ、ARマークにiPadをかざして説明をみればよく、担当者が付かなければ、自分のペースで見学できます。

記事では、「営業担当者の付添を受けることなく、見学することが可能になる」とあります。

たしかに、そのとおりかもしれません。ですが、「マンションは人から買う」要素が高く、はたして、ARシステムが販売促進に繋がるのかどうか。売り手側のメリットとデメリットを考えてみます。

■売り手にとってのメリット

1.接客改善を目的にしたシステムの導入ですから、顧客のニーズに応えられることが第一です。

「説明が長い」⇒ 利用者全員に、一定量の解説を提供できる。
「自分のペースで見学したい」⇒ 付き添い不要を認めるならば、可

上記二つのニーズにはこたえられそうです。他にも、営業マンの経験や実績、持ち味による、レベルの差を解消できる、こともありそうです。システムの導入は、画一的なサービスの提供に貢献できそうです。他にも、見学だけで、購入にしそうにないクライアントに付いて、説明する手間が省けます。

■売り手にとってのデメリット

記事内での紹介はありませんでしたが、デメリットはないのでしょうか。このシステムは、たしかに便利です。ですが、「自分で自由に独りで見たい」顧客には、来場の際に要望を確認し、勝手に見てもらえばいいのです。「説明が長い」とうんざりしている顧客がいれば、表情や態度を見極め、顧客が満足するような対応をすれば、いいのです。

顧客が自分でARシステムを希望し、独りで勝手に見学することを可能にすれば、利用者はきっと増えます。主導権を顧客に渡してしまって、はたしてそれでよいのでしょうか。営業マンのスキルが落ちてしまわなないかも、気になります。オペレーションが難しい、と感じた理由の一つです。

■最大の懸念事項は、顧客のデメリット

購入希望者にとって、モデルルームは、チラシや雑誌、ホームページではわからない物件情報をリアルに体感できる貴重な場です。モデルルームで入手して欲しい情報は「聞きたい事」もさることながら、「気づいてなかったけれど、必要な情報」です。

「説明が長く、要領を得ず、わかりにくい」これは、営業マンのスキルの問題。顧客が、聴きにくそうにしていたり、聴きたくなさそうにしていたりすることを気付かないのは、営業マンの観察力不足です。個人のスキルによる課題をすべて、システムで解決しようとするのは、無理があると考えます。

もちろん、来場者の全員に利用を促すものではないと思いますが、希望者には全員利用を認め、単独の見学を可能にするのか。売り手側が利用者を見極め、営業マンをはりつける必要なし、と判断した顧客にだけ利用させるのか。オペレーションが大切です。

モデルルーム見学ビギナーが、システムを利用したばっかりに、自分にとつての必要情報を見逃し、face to faceの説明があれば伝わっていたであろう、マンションの魅力に気づかず購入にいたらなかった、という結果は、両者にとって不幸です。

売り手は、クライアントに必要な情報が、正確に伝わる説明をしていただきたいし、買い手は、自分が気づいていないことがあることを認識し、商品をもっとも熟知している営業マンの説明に耳を傾けて欲しい、そう思います。ARシステムの導入が、両者のメリットを高めることを期待します。

コンパクトマンション、需要健在

大石 泉(マイアドバイザー 登録)

1986年(昭和61年)、株式会社リクルートに入社。週刊住宅情報関西版にて編集・制作・企画等の業務に携わる。約15年勤務の後、ミレニアムイヤーにファイナンシャル・プランナーとして独立、現在に至る。

仕事の柱を「マネー」、「キャリア」、「住まい」の3つにおき、客観的かつ公平なファイナンシャルアドバイスを行うかたわら、一般ユーザーへのマイホーム取得セミナー、住宅ローンセミナー、リフォームとライフプランニング、従業員向けライフプランセミナー、キャリア講座、FP受験講座、経済記事の読み方講座など、種々の講演活動を実施。その他、新聞、雑誌、企業のホームページ等の原稿執筆を手がける。

ライフプランニングには、「生きがい」「健康」「お金」が重要だが、豊かな暮らしには「住空間の充実」こそが、欠かせないとのポリシーを持つ。生活者の応援団として、豊かな暮らしをバックアップ。

筆者ホームページ http://profile.allabout.co.jp/pf/moneylife.1/

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