省エネ義務化に思うこと
連載: 読者コラム
今年4月に開催されたその会議において、新築住宅・建築物の省エネ基準適合義務について、2016年頃からを目途に規模別で段階的に導入する方針と、具体的な行程表が示されました。外壁などの断熱性能に加えて、照明や空調、太陽光発電なども総合的に評価できる省エネ基準にする方針で、現在、国土交通省と経済産業省で、その基準の改正作業を進めています。
一般的な戸建て住宅が該当する300㎡未満の小規模な建物については、2020年度頃を目途に義務化される予定となっていますが、現在の省エネ基準で見ると、適合できている割合は住宅で5~6割程度にとどまっていると記事には記載があります。
今後、この義務化基準の水準は改正作業によって変化していくとはいえ、昨年の大震災の影響で「エコ」に関心が高まり、住宅メーカーや工務店各社が、より一層エコ住宅にチカラを入れていますので、今後、新築住宅については省エネ基準を満たす物件の割合はさらに増えていくものと思います。一方、既存住宅は省エネ義務化の対象外となっています。
■将来的な中古住宅の流通における「省エネ」の位置づけ
数年前より、税制優遇などのしくみを作り、いわゆる200年住宅といった長期優良住宅のストックを増やそうという取り組みがなされているのはご存じのとおり。今後、省エネ義務化がスタートし、さらにストックの質向上が進行していくと、既存住宅は省エネ義務化の対象外になるとはいえ、中古住宅の取引においても、消費者が住宅を選ぶ際の指標として「省エネ」というキーワードは当然のものとして挙げられるようになると考えられます。つまり、「省エネ」の機能を住宅に備えておかなければ、将来的に住宅を売却する際、不利になる可能性もあると私は思います。
省エネ義務化にはまだ時間のある現在、「省エネ」の機能を有したエコ住宅は、一般的な住宅よりも建築費や物件価格が高めに設定されています。消費者はデザインやキッチンなどの仕様設備、間取りなど華やかな部分に注目しがちですから、あえて地味な「省エネ」機能を住宅に持たせることで、費用負担感を増大させることに消極的な部分もあるでしょう。
しかし、長期的視点でとらえると、にわか仕込みではない「省エネ」の機能を有したエコ住宅は、ランニングコストおよびメンテナンスコストが抑えられますから、イニシャルコストは大きく見えても、トータルの住宅コストは実は小さくなるケースもあります。それを目に見えるカタチで消費者にシミュレーションなどで説明を行い、納得して頂くことは、将来的な顧客が負担するコストダウンを図ることができるだけでなく、顧客の資産価値を守ることにもつながって行きます。
「低炭素社会に向けた住まいと住まい方推進会議」の議論の中でも取り上げられていましたが、従来のように20年ほどで資産価値がゼロに近くなってしまうような使い捨て住宅から脱却し、住宅ストックの質向上を目指していくには、ファイナンシャルプランナー等の活用をするなど、長期的視点で将来を見据えた住宅の計画をサポートしていくシステムが必要となってくるように思います。

キムラミキ(マイアドバイザー 登録)
ラフデッサン/代表
AFP・社会福祉士・宅地建物取引主任者
鳥取県立米子東高等学校卒業後、日本社会事業大学 社会福祉学部 福祉計画学科にて福祉行政を学ぶ。
大学在学中にAFP、社会福祉士を取得。大学卒業後、アメリカンファミリー保険会社での保険営業を経て、株式会社アゼル(マンションデベロッパー)にてマンション営業、マンション営業企画に携わる。その後FP会社でのスタッフ経験を経て、ファイナンシャルプランナーとして独立。
筆者ホームページ http://ameblo.jp/miki-fp/
























