東日本大震災に思う事
連載: 読者コラム
住宅新報第3212号には、東日本大震災の住宅市場への影響についての緊急アンケート調査結果が掲載されましたが、なんと、不動産市場全般の市況が悪くなるとの回答が67%にのぼります。
東日本に拠点を持つ工場への壊滅的なダメージのため、すでに、建築資材の入手が困難となっており、大手企業は、そのネットワークにより当面の資材の確保が可能となったが、中小の工事現場はストップ状態である。
今後、夏に向けて、クーラー等の冷媒の不足が予想されている。今年の夏は、計画停電とクーラーの冷媒不足のダブルパンチとなるであろう。
資材の確保に奔走した企業も多くあったであろうが、大手企業の場合は確保が可能であっても、中小企業の場合は、工事の進捗状況に合わせての資材確保であるため後手に回り、めどの立たない場合も多い。特に、工事が完成しなければ入金がない。そんなジレンマの中、資材が入荷しないため現況工事が進まない。ますます資金繰りが悪化する。こんな負のサイクルが進行しつつある。
中小企業にとっては、特需とは縁遠い状況である。
東北地方での特需は発生するであろうが、原発事故の収束が見えない今、新しい需要が直ぐに生まれるとは考えにくい。原発の補償問題についての、責任の所在を明確にしない状況では、地域活性の原資となる金が回らないのである。経営者責任・株主責任を明確にする事が第一であり、補償の原資は、まず、経営者、株主が負うべきである。
地域の復興特需と言える、仮設住宅の建設においても、大手建設業界による、排他的な仮設住宅の建築が見られる、このような愚行はすぐに是正すべきであろう。
仮設住宅用地が不足していると言われているが、定期借地の検討も必要であろう。また、政府、地方行政団体の機能が緊急事態を脱しない限り、現状では解決の時期も見えない。
東日本を一つとして、県・市町村の枠を取っ払い、全体的な都市計画・再生計画を策定しなければならないが、未だ政府としてひとつの考えはまとまっていない。
「復興構想会議」のメンバーを見ても、机上の議論との謗りを免れない。今こそ、地域の連携による、地域の連合体が必要な時期ではないだろうか。「特区」の設置も必要であろう、法律の枠を取っ払った大英断が必要となるであろう。
今、地域連携が必要とされるのは、東北地方であり、地域に根ざす産業界の結束である。
全体計画に基づく地域産業界と地域行政の連携が急務である。
新しい時代のために必要不可欠なことであろう。

猪股 豊(いのまた ゆたか)(マイアドバイザー.jp 登録)
(株)資産承継研究所 代表取締役社長。コミュニティサポートコンソーシアム合同会社【不動産・信託事業統括リーダー】。NPO法人 日本コミュニティライフサポートセンター代表理事。京阪神マンション管理士会理事。不動産実践塾『いの塾』塾長。大阪市立大学法学部法律学科卒業、大阪府立大学経済学部経済研究科修了。資産承継コンサルティング業務、税理士補助業務、不動産調査業務、不動産管理顧問業務、マンションコンサルティング業務、マンション管理者派遣業務、信託業務を中心とした事業展開を行っている。金融機関、建築士会、不動産団体、建築関連企業主催研修会、セミナー講師として活躍。
主な著書に、住宅新報社『マンションの価値を上げる 管理の超実践読本』(共著)。夕刊フジコラム『買って良いのか!このマンション』、住宅新報社新聞『不動産FPセミナー』執筆。
























