〝再生成〟特化のPM会社 リテラム・北川雅巳代表取締役に聞く 都市・地域に新価値 経済性と社会性の両輪追求
住宅新報 2025年10月28日 号 6面
――PM専業会社設立の狙い、意気込みは。
従前の協業体制(25年2月、リノベると三菱HCキャピタルが資本業務提携)を進展させるため、企画・設計施工やファイナンスといった両社の強みを一体化した合弁会社を設立した。不動産の再生成を通じ、脱炭素や循環型社会の推進に寄与する。再生する不動産と周辺の都市や地方に新しい価値を吹き込み、経済的利益と社会的インパクトの両立を図るPMのリーディングカンパニーを目指す。
リノベるは、これまでにも都市創造事業として法人顧客向けにCRE戦略推進と有効活用ソリューションをワンストップで提供。アセットを保有しない形で企画・設計施工に取り組んできた。今回のファイナンス強化の座組みにより、更に不動産再生の実績を積み上げていく。
――対象とするアセット、その調達方法について。
親会社とリテラムの全3社で合議制に基づいて案件を組成する。決定権限やリスク分担は三位一体のフォーメーションを取り、総事業費として年200億円程度を積み上げていく計画だ。
都市・地域のホテル、レジ、オフィス、商業、歴史的建造物など対象アセットは様々。注力比率は固定せず、案件を広く検討する。エリア比率も同様で、広域での取り組みを想定する。東京23区や三大都市圏、政令指定都市を優先していくが、地方もカバーする。リノベるが取り組んだPFI案件等も踏まえ、自治体連携も視野に入れる。
リテラムとしての物件調達も強化したいが、まずは1号案件に向け、各社のネットワークを最大限活用する。具体的には三菱HCキャピタルグループが持つ約57万社の国内法人顧客基盤や全国の支店を生かし、CREに注力する。リノベるも全国500社のパートナー企業や地方銀行からの情報を活用する。ホテル運営のパートナー会社から歴史的建造物の活用相談を受けた実績もある。各地の不動産会社からの引き合いにもリテラムが対応していく。
――収益性、再生成の先の考え方について。
都市創造事業の経験から、初期の企画段階での事業判断や工事進行中の計画変更リスク軽減といった強みを持つ。再生の〝出口〟も案件ごとに判断する。例えばインバウンド需要の強い地域でオフィスをホテルに再生する選択肢が想定されるが、工事費用と収益の見合いで再生成の形は変わる。運用方法も決め打ちではなく、収益性によって長期保有か売却か判断する。ESGの算定・開示も案件ごとの判断だ。リノベるには法人所有社宅の全住戸をZEH水準化した賃貸マンションに再生した実績があるが、その価値を認めた場合に第三者認証取得といった対応を図りたい。
――リスクへの備え、飛躍に向けて。
建設コストの高騰は今後も続くと見た上で、事業性についてはしばらくポジティブに働くと考える。人件費や資材価格が上昇し、新築が建てにくい中、都内でも築30年超の物件が増えている。既存活用、リノベ需要が高まる好機であり、社会情勢を追い風にしてこの分野をけん引していきたい。今回の座組みは、再生投資を図りながら経済性と社会性を両輪で追う新しい取り組みだ。パートナーシップを固めることが飛躍の前提条件であり、その上で各社の強み、ネットワークを生かす。物件取得の壁を越えれば、いい循環で事業が加速していくと考える。


























