不動産証券化協会 菰田会長が会見 Jリート過小評価に不満 金融引き締め 過剰警戒が影響
住宅新報 2024年10月8日 号 3面

不動産証券化協会(ARES)は9月30日、都内で記者会見を行った。中長期的に金利の上昇が意識されているが、急激な金利上昇は考えづらく不動産投資市場は底堅く推移するとの見方を示した。そのうえで、Jリート市況について菰田正信会長(三井不動産代表取締役会長)は、「東証リート指数は、不動産証券化協会の会長として2000ポイントを目指さなければならない」と述べるとともに、足元の1700ポイント台に沈む現状については、「急ピッチで欧米の金利が上昇したことで、海外の不動産市場が悪化し、海外リートが売り込まれたことにJリートも巻き込まれた。日本の不動産市場は世界に比べて(特にオフィス市場は)飛び抜けて良いが、グローバルの機関投資家に今一つ認知されていない」と語った。
一般株式のPBR(株価純資産倍率)に相当するJリートのNAV倍率は平均0.87(9月末時点)と1倍割れの状態にあるが、これは保有している不動産の資産価値に比べて投資口価格が割安であることを示す。「キャッシュフローに裏打ちされているのがリートだが、それが過小評価されている」と述べた。
金融引き締めに対する過剰な警戒感も投資口価格がさえない理由だとし、早期に最低1900ポイント水準まで回復したいとの思いを口にした。
復調のカギを握る一つに個人投資家に期待する。NISAの拡充で年明けから個人の新規買い付けが増えて、今年上半期も個人の買い越しが続いていることを歓迎した。ミドルリスク・ミドルリターンの商品特性が着実に個人投資家に浸透してきたとみる。
石破新政権について「ネガティブな印象は特にない。不動産業界は政治的な影響を受けにくい。気になるとすれば(日銀の)金融政策にどういうコミットをされるかだ。低金利が長期に続いたゆがみも溜まっている。リート各社は1%程度の利上げは想定シナリオではないか」と話した。
投資口価格がさえずに資金調達環境が良くない中でも、LTV(負債比率)を抑えながら資産の入れ替えでポートフォリオを改善するなどで今年の物件取得は6月までの半期で8000億円ほどに達する。Jリートの平均分配金利回りは直近9月末時点で4.9%である。長期金利は依然として1%を割り込む水準で長期金利との差である分配金利回りスプレッドは4.0%と前月末比から拡大している。金利の急上昇が考えづらい中で、菰田会長は高い分配金利回りを踏まえて長期金利とのスプレッドを取り続けることができると見通す。金利上昇はデフレからの脱却を意味し賃料も上昇する。需給も全体的に引き締まり物件のバリュー(価値)が増すとみる。
























