伝統的な白壁の町並みを維持する観光地 損得なしの感情が人を呼ぶ 一般財団法人日本不動産研究所 ニューノーマル最前線 不動産の〝変〟と〝不変〟 第30回 愛媛県内子町
住宅新報 2021年12月7日 号 20面
連載: ニューノーマル最前線
愛媛に来た際にぜひ足を運んでいただきたい場所がある。県都松山市から南西約40キロに位置する内子町である。
古くから街道の交通の要衝として、また四国遍路の通過地として栄え、江戸時代から明治時代にかけては和紙と木蝋(ろう)の生産で栄えた町である。大正時代以降は、石油や電気の普及によって木蝋生産は衰退したが、当時の繁栄ぶりをうかがわせる商家の町並みが八日市・護国地区に保存され、1982年に四国で初めて重要伝統的建造物群保存地区に選定された。
現在も行政、住民の協働により白壁の町並みが維持され、様々な伝統的建築様式を見ることができる。また、街道には明治・大正期の商家の生業が分かるマップが設置され、その建物の前の用途(精蝋業、酒屋、魚屋町など)が分かり、町歩きをしながら当時をイメージして楽しむこともできる。居宅のほか、店舗として利用されている建物も多く、カフェ、パン屋、雑貨屋、アクセサリー店などが出店しており、歴史的な町並みを堪能しながら飲食や買い物もでき、建物・歴史好きのみならず多くの人が楽しめる人気観光地となっている。18年には古民家宿泊施設がオープンし、19年には東京の事業会社がサテライトオフィスを開設するなど、当地区への投資が相次ぐ。
























