マン活に励む管理組合~良好なコミュニティの秘訣~ ライオンズマンション親水公園(1) 東京都江戸川区 振り込め詐欺を未然防止 講習の成果発揮
住宅新報 2019年5月7日 号 10面
連載: マン活に励む管理組合

「振り込め詐欺被害防止アドバイザー」の講習が事件を防いだ
JR「新小岩」駅から徒歩10分強、小松川境川親水公園沿いにある「ライオンズマンション親水公園」の管理員である田中さんは、定時になったため着替えを終えて帰ろうとしていた時、不思議な光景を目にしました。管理員室の前にあるエレベーターホールにふと目をやると、居住者の女性が携帯電話で話をしながらエレベーターを降りて来ます。しかし、その反対側の手にはなぜか固定電話の子機が握られているのです。
しかも、その女性は不安げにその場を行ったり来たりしています。「なんだかいつもと様子が違う」と感じた田中さんは、すぐに管理員室を出て「どうかしましたか?」と声をかけました。女性がいうには、「息子が勤務する会社の方と待ち合わせをしているんです。今から現金150万円を届けなきゃいけなくて……」とのこと。これは、もしかして振り込め詐欺では?とピンときた田中さん。女性にその旨を伝え、一緒に近くの交番へと向かいました。
交番では簡単な事情聴取が行われ、女性が事の顛末を話します。それによると、息子さんからの電話で「会社のお金を運用したが、監査が入るためすぐにお金を返さなければならなくなった」とのこと。更に、その上司と名乗る男からも続けて電話があり、「今手元にあるお金だけでもいいから持ってきてほしい」というので、親水公園にある東屋で待ち合わせをしたというのです。
それを聞いて、警察でも振り込め詐欺被害の可能性が高いと判断。偽物の紙幣を持って女性と警官1名が東屋へ行きましたが、待ち合わせ時間を過ぎていたためかお金を受け取る人は来なかったそうです。警察としてもやはり振り込め詐欺の電話だったと判断したということです。もしも田中さんが女性に気づかなかったら、声をかけていなかったら、と思うとゾッとします。
田中さんがすぐに振り込め詐欺に気づいたのには理由があります。というのも、当マンションの管理を委託されている管理会社・(株)大京アステージでは、2016年の10月から、警視庁より「振り込め詐欺被害防止アドバイザー」を受嘱しており、田中さんもその講習を受けていたのです。
「振り込め詐欺被害防止アドバイザー」とは、社会問題となっている振り込め詐欺の被害防止に協力するため、管理員やマンション担当者などが警視庁から特殊詐欺の被害状況やアドバイザーの役割などについて講習を受け、担当するマンションで居住者に対して声掛けや情報提供などの啓発活動を行うものです。
警視庁の担当者からは、「マンションの管理員は入居者との距離が近く、マンション内の高齢者世帯も把握している場合が多いため、日頃の会話を通じて特殊詐欺への注意喚起をしていただくことを期待している」と話がありました。また、マンションの1室が詐欺犯罪者たちのアジトになっているケースもあるため、やはりマンションの空き家状況などを知っている管理員ができることは多いと警視庁では考えているそうです。
(取材年月:18年3月)
【マンション概要】
建物名/ライオンズマンション親水公園▽所在地/東京都江戸川区▽階数/10階建てほか▽総戸数/62戸▽竣工年/1985年(昭和60年)築▽管理形態/全部委託▽管理会社/(株)大京アステージ▽総会開催/毎年7月▽役員数/9人▽役員任期/1年・輪番制

















