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スタンダード会員限定マン活に励む管理組合~良好なコミュニティの秘訣~ マン活に励む管理組合~良好なコミュニティの秘訣~ コーシン王子マンション (2) 東京都 北区 耐震化の取り組み 安心登録カードの活用

住宅新報 2019年4月23日 号 16面

連載: マン活に励む管理組合

住まい・くらし
駐輪場も広げて適正駐輪を呼び掛けた

駐輪場も広げて適正駐輪を呼び掛けた

 耐震化の対策を迷っていた時、耐震診断を行った会社から提案が。それは耐震データを見直した、新しい企画設計の提案でした。専有部分に影響を与えない形で、柱の4カ所にのみ耐震スリットを入れるというもので、それによって耐震基準を満たしつつ、総費用が当初の10分の1以下に抑えられる、という画期的なものでした。紆余曲折はありましたが、追加徴収なしで済んだこともあり、スムーズに合意形成ができたのです。

 この耐震改修工事の合意がスムーズに進んだことには、実は他にも理由があるのです。それを知るには、これまでの管理組合の歩みを見ていく必要があります。まずは、耐震診断をすると決めるきっかけとなった東日本大震災の起きた11年。理事会で防災対策としての居住者名簿「安心登録カード」を作ろうという話になり、ほぼ全員が名簿を提出してくれました。その結果、65歳以上の高齢者世帯が全体の44%を占めていることが分かり、様々な高齢者対策を行ってきたのです。

 まずは、安心登録カードからピックアップした高齢者世帯と独居高齢者世帯に対し、理事たちから日常的な声掛けを実施。更に、独居高齢者世帯に関しては月3回、行政から発行される「北区ニュース」を管理員が手渡しすることにしました。そのおかげで、住人の危機を救ったこともあるそうです。

 ある日、管理員は、日頃から新聞を読むのを楽しみにしていると話していた高齢の女性宅の新聞受けに、数日分の新聞がたまっていることを不審に思いました。そこで当時の理事長に相談し、安全登録カードに記載されている緊急連絡先に電話をすると、地方に暮らしているからすぐには行けないと言います。そこで、後見人に了解を得て警察に連絡をして、ドアの鍵を破壊。すると、女性は部屋で動けなくなっていたそうです。幸い、すぐに病院へ搬送したため大事には至らなかったということです。

 そのほかにも、玄関や段差にスロープを付けたり、エントランスにソファを設置したりといった小さな改革も随時行ってきました。

 更に14年には、一括受電の工事を実施しました。駐車場の空きが目立ち、管理費の収支がマイナスになりつつあった状況を変えようと考えた策でしたが、一括受電は電力会社と各世帯が個々に契約書を取り交わす必要があり、実質全戸が合意しなければ成り立たないサービスであるため、ハードルが高いものです。しかし、同マンションでは異例の3カ月というスピードで全戸が契約を終えました。

 16年には、駐車場に管理規約に違反して止められていた自転車を一掃。いっぱいだった駐輪場も工事をして広げ、そちらに自転車を止めてもらうように促しました。「管理組合から」と正攻法でお願いをしても聞き入れてもらえない場合は、子供同士が同学年の親や、「100年委員会」のウォーキングの会の仲間からの声掛けにより、自転車を移動してもらうことに成功しました。

 このように、小さなことを積み重ねながらコミュニケーションをとってきたこと、細かいことでも少しずつマンションの環境を改善してきたことで、管理組合への信頼が生まれ、スムーズな合意形成をするに至ったのです。「それでも、100年委員会ができる前はありきたりの取り組みしかしていない、ごく普通のマンションだった」と「100年委員会」の榎本代表は言います。築年数が経ち、それまで特別な取り組みをしてこなかったマンションでも、関わる人たちの熱意次第で生まれ変わることができる、という好事例です。(取材年月:18年1月)

【マンション概要】

 建物名/コーシン王子マンション▽所在地/東京都北区▽階数/10階建てなど▽総戸数/101戸▽竣工年/75年(昭和50年)築▽管理形態/全部委託▽管理会社/ハイネス管理(株)▽総会開催/毎年11月▽役員数/13人(うち4人が修繕委員)▽役員任期/輪番制2年、修繕委員のみ任期なし

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