我が国の賃貸住宅市場は今、微妙な段階に差しかかっている。相続税強化を背景に15年度から約2年間増加し続けた貸家着工戸数が、17年6月からは前年比減少に転じている。要因は金融機関がアパート融資に慎重になりはじめたこともあるが、空室率の増加で供給過剰感が覆いつくせなくなったことも大きい。アパート建設最大手の大東建託の受注高も昨年4月から今年1月までの累計で前年比3%減となった。
一方、分譲住宅の着工戸数は15、16年度と2年連続で前年比増加し、17年度も4~12月の累計で3.2%増加している。もっとも、17年を月次で見ると前年比減となった月が12カ月のうち6回とまだら模様にはなってきている。
13年の空き家統計によれば、賃貸住宅の空き家が429万戸で全体(820万戸)の52%を占めるが、分譲と持ち家を合わせた個人所有の空き家も318万戸に達している。空き家増加が新築住宅着工市場に影を落とし始めたと見ることもできそうだ。


















