住宅不動産会社の海外進出戦略講座 第5回 ~ジャパンクオリティを 世界へ発信せよ~ 日本企業の海外進出現状 (プレキャスト工法編)
住宅新報 2017年12月5日 号 18面
連載: 住宅不動産会社の海外進出戦略講座

徳安良太
ベトナムに進出しているA社は、千葉で分譲住宅を安定的に年間50棟と、不動産管理事業を展開しています。12年に現地ディベロッパーのB社との合弁でC社を設立し、日本流のきめ細かな不動産・ビル管理ノウハウを強みに管理物件を増やしています。D社がベトナム・ビンズン省で1000億円以上をかけて実施している不動産開発プロジェクト、「ビンズンガーデンシティ」内にあるタワーマンション「ソラ・ガーデンズ」の管理など、大型の管理物件も増やしています。
また、15年4月には、ビンズン省VSIP2工業団地で分譲住宅のプロジェクトもスタート。WPCパネル工法(壁式プレキャストコンクリート)を使用し、コストを抑えながら日本流の高品質住宅の供給にチャレンジしています。
マレーシアに進出しているE社は、建材の輸入販売業を主として事業をスタートした、山口県に本社を置く会社です。その後、「Small but Global」をスローガンに、技術を持った日本メーカーとタッグを組み、日本の技術を輸出する事業を開始し、15年にマレーシア進出の社内プロジェクトをスタートしました。
プロジェクト開始当初は木造プレカット技術の輸出を想定していましたが、マレーシアでの木造ニーズ創出が難しかったことから、プレキャスト工法技術の輸出に方針転換。マレーシア政府が、在来レンガ工法からIBS(工業化)工法に転換することを義務化する国策を打ち出していることもあり、現地ディベロッパーのニーズと日本のプレキャスト技術がマッチし、17年に現地ディベロッパーと合弁会社を立ち上げ、18年から年間700棟の住宅を供給する予定です。
ASEANで一般的な在来レンガ工法は、レンガを手積みすることによる長い工期やレンガ製造過程の汚染の問題から見直しの動きがでています。一方で、プレキャスト工法は高品質かつ短工期ではあるもののコスト面ではレンガと比較して高く、現地で広く普及するにはまだ時間が掛かりそうです。
とくやす・りょうた=株式会社リブ・コンサルティングのチーフコンサルタント。大手税理士法人を経て、12年に同社へ入社。住宅会社・不動産会社のコンサルティングに従事し、15年に海外進出支援部門を立ち上げ、以降は住宅会社の海外進出支援に注力している。

















