住宅不動産会社の海外進出戦略講座 第3回 ~ジャパンクオリティを発信せよ~ 日本企業の海外進出現状 (住宅・不動産会社編)
住宅新報 2017年11月21日 号 18面
連載: 住宅不動産会社の海外進出戦略講座

徳安良太
ベトナムに進出しているA社グループは、愛知県岡崎市を中心に、「分譲マンション」「分譲住宅」「注文住宅」「健康増進事業」「ホテル事業」「介護福祉事業」等を展開しています。
当時の社長(現会長)がベトナムを訪れた際に、「自分が起業した時の日本に雰囲気が似ており、大きな可能性を感じる!」と12年にベトナムへ進出しました。約3年かけて現地調査を行い、パートナー候補企業との面談を重ねた上で、15年2月にベトナム大手ディベロッパーB社と合弁会社を設立。ハノイ郊外において、現地の富裕層向けに販売価格1億円の分譲住宅を供給しています。
「地震がなく耐震性の基準が低い一般のベトナムの住宅より高い耐久性」「寒暖差の激しいハノイにおいて結露が発生しないような断熱性能」などの点を差別化要素としながら、オーバースペックで販売価格が高くなり過ぎないような工夫をされています。
タイに進出しているC社グループは、16年8月に現地のディベロッパーD社との合弁会社を設立し、事業をスタートしました。現在、バンコクのトンローにて12億バーツ超の事業規模でルネス・トンロー5というプロジェクトを進めています。8階建て156ユニット、販売価格490万バーツ~の分譲マンションで、共有スペースには日本庭園や日本の温泉など、日本独自の施設が設置される予定です。現在建設中ですが、「日本流の機能・ライフスタイル」「大阪出身のマンション」などを押し出してマーケティング展開をしており、3月に行われたプリセールスで7割販売となっているように、売れ行き好調のようです。
対象に応じた戦略を
住宅・不動産事業の海外進出は、富裕層をターゲットにするパターンと、一般層をターゲットにするパターンに大きく分かれます。
一般層をターゲットにする場合は、「工法の工夫」「現場監督育成」などでコスト削減しながら高い品質を、富裕層をターゲットにする場合は、現地の文化・風習に合わせた日本企業独自のバリューアップを心がけることが重要です。
とくやす・りょうた=株式会社リブ・コンサルティングのチーフコンサルタント。大手税理士法人を経て、12年に同社へ入社。住宅会社・不動産会社のコンサルティングに従事し、15年に海外進出支援部門を立ち上げ、以降は住宅会社の海外進出支援に注力している。

















