そのシェアハウスは、最寄駅から歩くと約15分はかかった。しかも途中には工場や物流施設のだだっ広い駐車場などが続くため、夜8時以降ともなると人通りがめっきり少なくなる。女性の独り歩きには不安がつきまとう。
ある日、入居して間もない津端幸隆さん(仮名29)は、駅から歩き出したところで後ろから呼び止められた。振り返ると、細身で小柄な見知らぬ女性が立っている。
おや、誰だったろうと戸惑っていると、女性が「205号室の杉浦です。遅いのでご一緒していただけますか」と笑顔を寄せてきた。そのときの彼女の可憐な印象が彼の心を射止めたようで、2人はそれから約1年後に結婚する。


















