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プレミアム会員限定点検・不動産投資 新成長分野への展開 宮城大学事業構想学部教授田辺信之 ホテル(9) 変動賃料上昇し成長後押し ジャパン・ホテル・リート・アドバイザーズ代表取締役社長古川尚志氏

住宅新報 2017年5月9日 号 3面

連載: 点検 不動産投資

投資
  • 田辺信之氏

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  • ジャパン・ホテル・リート・アドバイザーズ代表取締役社長古川尚志氏

    2 / 2ジャパン・ホテル・リート・アドバイザーズ代表取締役社長古川尚志氏

 ――最初に御社の概要と事業展開についてご教示ください。

安定と成長を両立

 当社は独立系の運用会社であり、当社が運用するジャパン・ホテル・リート投資法人は06年6月に東京証券取引所に上場し、12年4月の合併を経て、現在では41物件、総客室数1万140室、資産規模2868億円のホテルを保有している。景気回復やインバウンドの増加などで宿泊需要が拡大する中、当社は機を捉え、15年に8物件、397億円、16年に6物件、783億円の投資を実施した。

 投資判断においてはレジャー宿泊需要の安定性と成長性を重視しており、投資対象は、レジャー宿泊需要が強いマーケットに立地する競争力の高いホテルだ。

 具体的には、北海道エリア、東京及びベイエリア、大阪・京都エリア、福岡エリア、沖縄エリアを戦略的投資対象地域と定めている。これらの地域外ではあるが、名古屋、広島などもレジャー宿泊需要が強い有力な投資エリアと考え投資を実行している。

 日本のホテル市場の成長性には海外投資家も注目しており、ホテルリートへの投資にも積極的姿勢が目立つ。特に、不動産の用途別リスク分散を自ら管理することを望む海外投資家にとっては、純粋にホテル投資に特化しているリートは望ましく、JHRにかなり早い時期から注目してきたようだ。JHRの海外投資家の割合はこの3年間で10%程度増加している。

 ――ホテル投資は、オフィスなどと比べて、収益のボラティリティ(変動)が大きいとされています。

 リートは、基本的にはホテル事業者に建物を賃貸しているので、直接的にホテルの事業リスクを負うことはない。JHRでは、ホテル収益の特性を踏まえ、「安定性とアップサイド・ポテンシャルの両立」を追求している。ホテルの賃貸借契約には固定賃料のものと変動賃料のものがあるが、固定賃料により安定収益を確保しながら、ホテル収益の向上に伴い変動賃料が増加する「アップサイド」を狙っている。

 JHRでは「アクティブ・アセットマネジメント」と呼んでいるのだが、客室改装やリブランド等、能動的に収益力向上を図る施策を積極的に実施し、ホテル業績の向上に伴う変動賃料の増加を目指している。賃貸借契約の条件を変更することなく、変動賃料を通して、ホテル業績の向上を即座にリート収益に取り込むことが出来ると言う特徴を持っている。

 なお、現在の賃料収入の内訳は、固定賃料58%に対し変動賃料42%となっており(16年12月期)、バランスのとれた割合であると考えている。

 ――ここ数年、インバウンド観光客の増加などが騒がれていますが、ホテルの収益性(キャッシュフロー)も向上しているのでしょうか。

1室単価が二桁の伸び

 マーケット全体として、ホテル収益はこの数年で大きく向上している。特にインバウンド観光客が劇的に増加した15年は、多くの都市でRevPAR(販売可能客室一室当たり売上高)が二桁成長し、ホテルの宿泊部門売上が大きく伸びた。16年後半からは、新規供給の影響やインバウンド観光客の滞在地の地方化の影響等で、東京エリアのRevPAR成長率は鈍化しているようだ。

 JHRの保有ホテルに関しては、変動賃料を採用している主要ホテルグループにおいて、16年のRevPARが対前年比約6%上昇し、その結果GOP(Gross Operating Profit)が同約11%増加し、変動賃料の増加に繋がった。

 マーケット全体が成長している中で、アクティブ・アセットマネジメント戦略による力強い内部成長を目指している。(続く)

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