中小ビルの省エネ性能 テナント対策上重要に ビル協連合会が調査レポート
住宅新報 2016年8月16日 号 3面
日本ビルヂング協会連合会(高木茂会長)はこのほど、中小ビルのオーナーとテナントの省エネ対策に関する意識・状況アンケート結果を分析したレポート「中小ビルの経営者ができる地球温暖化防止対策16年版」を発表した。前回調査時(10年)と比べてテナントの省エネ意識は高まっていることが分かった。ビルオーナーにとって省エネ性能の向上はビル経営の課題であり、グリーンリースなどの新たな制度を積極的に活用し、テナントと協働して省エネ性能向上を進めるよう提案した。
アンケートは同連合会傘下の全国11協会を通して実施した。
テナント側からの回答数は359。地域別では東京地区が4割を占めている。平均在籍人数は28人。半数近くが中小ビルを本社として利用している中小企業テナントだった。まず、省エネ法(エネルギーの使用の合理化等に関する法律)の認知度を聞いたところ、前回調査時よりも認知度はやや高まっていたが過半数には届いていないことが分かった。一方で、社内の省エネ責任者の有無については、「いる」が24%を占め、前回調査(7%)よりも大幅に増えた。更に、テナント自身の省エネに対する姿勢としては、約8割(「積極的」18%に「ある程度」64%を加えた割合)が何らかの取り組みを行っていると回答した。
入退去の要素に
また、ビルの入退去時にビルの省エネ性能を重視するかを聞いたところ、「重視する」(8%)と「重要な要素の一つである」(27%)の合計は35%に上り、「参考にする」(44%)を加えると8割を占めた。このような結果から、同レポートをまとめた同連合会担当者は「省エネ性能は軽視できないビル経営上の課題になっている」としている。
ビルオーナー側からの回答数は105棟。ビルの平均延べ床面積は8828m2で、平均築年数は34.8年。
対象ビルの原油換算エネルギー消費実績は324キロリットル/8828m2だった。前回調査時の平均床面積(6957m2)で計算すると27%削減したことになるという。また設備面では、LED照明は普及しつつあるが、全館採用しているビルは1%にとどまった。
CASBEEなど省エネ・環境性能表示認証の取得も進んでいないことが分かった。
新制度の活用を
同レポートでは最後に、中小ビルの省エネ対策として、新たな制度を積極的に活用することを提案した。具体的には、建築物省エネ法に基づく表示制度やグリーンリース、エコチューニングを挙げた。グリーンリースとは、ビルオーナーとテナントが、省エネなどの環境負荷低減について、双方がメリットを享受できるような契約・覚書を結ぶこと。また、エコチューニングとは環境省の造語。設備機器やシステムの運用改善を行い、それによって削減された水光熱費をビルオーナーとエコチューニング事業者で利益を分け合う仕組みを指す。
























