随想タウンウオッチ 不動産鑑定士横須賀博(55) 人は誰でも齢をとる
住宅新報 2016年5月24日 号 12面
過日、新宿から我が事務所に帰途の際、地下鉄改札口を出ると、地上へのエスカレーターが故障とのことでやむなく階段を登ることになった。その階段は64段、それに道路までの階段23段を加わえ、合わせて87段。エスカレーターなら概ね1分程度だ。
若い女性がエスカレーターに乗らず、颯爽と階段を登っている姿を見ると、挑戦したくなった。なぜかこの日に限り、青春時代を思い出した。右手にカバンを持っているハンディを考慮しながら、登りきるまでの所要時間を30秒以内と予測。その結果、概ね予定時間内で登りきったものの呼吸が苦しく、道路に出たところで歩く歩幅が狭くなり、小学生たちに追い抜かれた上に、心配そうに振り向かれる始末。
その時ふと思った。これからの高齢化時代、せめてエスカレーターの故障時には、階段を登りきったところに移動式の休息ベンチがあればそこで呼吸を整えることが出来るのにと。
熊本を襲った地震、その回数は1000回を遥かに超え、県民が予期せざる苦しみを強いられている。自然災害への打つ手は限られているが、エスカレーターは所詮、機械もの、故障なしとは言い切れまい。そんな時の高齢者への思いやりの一つとして「移動式ベンチ」を設置することは呼吸調整の一つの名案と思うが、それは甘えだろうか。いやその甘えが、日本経済を支えているのではないだろうか。
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一年余りの間、おつきあいをいただいた皆様方に心から感謝を申し上げ、本稿卒業の御挨拶と致します。有難うございました。(横須賀不動産鑑定事務所代表取締役) =おわり=

















