随想タウンウオッチ(26) 不動産鑑定士横須賀博 とげぬき地蔵尊と長寿社会
住宅新報 2015年10月20日 号 8面
過日、所要のために巣鴨の「とげぬき地蔵尊 高岩寺」に出掛けた。神田駅から巣鴨駅へ。この駅の乗車客数(1日平均)は約7万6千人、若者に愛される原宿の約7万1千人より多い。その巣鴨駅の三十段の階段を一気に登ると呼吸が急に荒くなり、ふと前方を見るとエレベーターとエスカレーターが見えた。思わず早とちりの癖を悔やんだ。
駅を出てビックリ。正面には長さ約300メートル、40軒ほどの商店が軒を連ね、上はソーラーアーケードでその名も「巣鴨駅前太陽光発電所」。その商店街に沿って5分ほど歩くと「とげぬき地蔵尊高岩寺」がある。なんでも、この地蔵尊は霊験あらたかな、とげぬき地蔵として知られる延命地蔵尊であるとか。今ではお年寄りの多くが、いや高齢者なるが故に、体の何処かに痛みを感じる、その痛みを癒すための心の支えとして賑わっているのだと。
商店街の店頭に並ぶ品々は日常必要とする雑貨や高齢者向けの衣料品などが多く、若者向けの品は目に留まらなかった。それに店員の多くは中年の御婦人方である。道行く人は数人のグループが多く、中には杖に頼る人も見受けられた。この地蔵尊の参拝も線香を焚き、その煙で身を清める仕草から始まる。私は体に異常はないため、清める場所を頭と決めた。

















