後輩記者 今、不動産投資が注目されていますね。
先輩記者 そう。例えばJリートでいえば時価総額は10兆円を超え、ここ1、2年は上場が相次ぎ銘柄数は51まで増えた。不動産特定共同事業法に基づく小口化投資商品も、相続税対策としての需要が増えて、以前はほとんど見なかった任意組合型が目立つようになった。もちろん、従来型の不動産投資も活況のようだ。アパートを1棟丸ごと購入する人もいるけれど、ワンルームマンションの一住戸を買って、それを人に貸して家賃収入を得るのが典型的だ。管理の手間や流動性など、それぞれでメリット、デメリットは異なるから、自分の考え方や資金に合わせて選択できるようになった。
後輩 それから、国内の不動産に対して外国人が投資する「インバウンド」もよく耳にするようになりました。
先輩 そうだね。海外投資家向けに投資物件を紹介している、ある仲介会社の社長は、相変わらず台湾投資家の意欲は強いと言っていた。ただ、最近は少し傾向が変わり、投資家は富裕層ばかりではなくなっているらしい。投資家のすそ野が広がっているようだ。
後輩 大手流通会社もこうした動きを取り込もうとしています。ウェブサイトを充実させたり、アジアを中心に現地事務所を設置したり。投資家が求める不動産にも変化が出ているようです。以前はコンビニなどが入っている区分店舗が中心でしたが、最近は賃貸住宅やオフィスビルなど1棟物件への投資が増え、更に、竣工前でも購入するケースがあると聞きました。
先輩 不動産業界が投資分野に積極的になっているその背景には何があると思う?
後輩 そうですね…。少子高齢化が関係しているのではないでしょうか。自宅を求める人の数が減っています。つまり実需が縮小していく時代になり、投資需要を拡大させることが欠かせないのだと思います。
先輩 不動産会社として事業を伸ばしていくために、国内外の投資家を相手にしていくということだね。ほかの理由はどう?
後輩 国内に目を向けると、特にJリートですが、先程上場が相次いでいると話が出ましたが、中でもヘルスケアリートの上場が目立ちます。昨年11月には「日本ヘルスケア投資法人」が、今年3月には「ヘルスケア&メディカル投資法人」が上場しました。「ジャパン・シニアリビング投資法人」も設立されており、そのうち上場すると思われます。これらはいずれも、投資対象を、有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅などヘルスケア施設に特化したリートです。更に、先日は学研グループで高齢者住宅事業を手掛ける学研ココファンホールディングスが、サービス付き高齢者向け住宅を組み入れた私募ファンドを組成しました。将来的にはヘルスケアリート上場も視野に入れているそうです。
先輩 国土交通省でもヘルスケアリートの活用に向けた環境整備として、資産運用会社向けにガイドラインを策定している。居住系はすでに完成しているし、病院系も大詰めの状況だ。
後輩 高齢化が進む日本では、こうしたヘルスケア施設の整備に今まで以上に取り組まなければなりません。そのために、ヘルスケアリートのような投資資金が流れる仕組みが必要になっているのだと思います。
先輩 ヘルスケア施設を充実させていくための資金調達方法の選択肢が増えるのは期待できるね。

























