オフィスビル 環境性能備え賃料アップ ARES・DBJがセミナー
住宅新報 2015年4月28日 号 3面

「不動産におけるサステナビリティ」セミナー
不動産証券化協会(ARES)と日本政策投資銀行(DBJ)はこのほど、都内で「不動産におけるサステナビリティ」と題したセミナーを開いた(写真)。その中で、グリーンビルディング認証やCASBEE(建築環境総合性能評価システム)を取得した賃貸オフィスビルは、そうでない周辺ビルと比べて賃料が高い傾向がうかがえると報告された。
環境性能と賃料の関係が明確になると、環境対応が進む可能性がある。
グリーンビルディング認証はDBJが実施している制度で、環境や社会に配慮された不動産を評価する仕組み。建物の環境性能や利用者の快適性、周辺環境への配慮など、ハードだけでなくソフトやマネージメント面を含めて総合評価する。
DBJと業務提携している日本不動産研究所の古山英治氏は、「まだデータ数が少ないこともあり経済分析としては不十分な段階ではあるが」と前置きした上でグリーンビルディング認証物件の経済価値を紹介した。
それによると、都心3区に立地する築年数が同じくらいの同認証物件とリート保有物件の賃料(坪単価)を比べたところ、認証物件の方が高い賃料だった。千代田区は2万6100円、港区では1600円、中央区では2800円上回っていた。
古山氏は、「認証物件のポテンシャルが感じられる。今後はデータ数の拡大とモニタリングを行うことで、認証物件の不動産価値の定量化を進めていきたい」と話した。
続いて三井住友信託銀行の伊藤雅人氏は、「サステナビリティの向上がもたらす経済効果の調査結果」を紹介した。
東京23区のCASBEE評価を受けたオフィスビルの平均賃料(坪単価)は2万4701円で、23区全体と比べて約9000円上回っていた。23区で築10年以上・延床面積1万坪以上のビルを対象とした場合も同様の傾向だった。更に、名古屋市や大阪市でも、CASBEE評価を受けたビルのほうが都市全体平均と比べて高い結果となった。
また、CASBEEランクが1ランク上がると264円上昇する可能性があることを紹介した。評価項目(室内環境、サービス性能、室外環境、エネルギー、資源・マテリアル、敷地外環境)との関係では、「サービス性能」が賃料に比較的強い影響を与えていることが分かった。サービス性能は、情報通信設備や天井高、窓の開口率、耐震機能、BCP性能などのことで、テナントが通常ビルを選ぶ際の判断項目としているものと共通している。
伊藤氏は最後に「透明性の高い環境性能評価を使い、不動産価値との関係を分かりやすく示すことが重要」と述べた。
























