加速するネット検索 「違反広告」を追う (上) 首都圏不動産公取協 大手5社で適正化に動く
住宅新報 2015年4月7日 号 3面

違反金処理件数とネット広告の割合(年度別、首都圏公取協資料を基に本紙作成)
住まいを探す際、今や物件情報(物件広告)が掲載されたインターネットサイトの利用は欠かせない。顧客を探す仲介会社にとっても重要な存在だ。しかし、中には「おとり広告」など違反広告がいまだになくならない。ネット検索が加速する中、こうした広告がまじっていると不動産会社の信頼性、サイトの信頼性が失われかねない。ポータルサイト側も対策を進めている。
リクルート住まいカンパニーの「部屋探しの実態調査」(13年度)によると、賃貸物件を探すときの情報源(複数回答)は、「パソコンサイト」が57%で最も多い。2番目が「不動産会社に直接訪問」で35%、3番目は「スマートフォンサイト・アプリ」22%だ。
住宅購入者に対する調査でも上位にパソコンやスマートフォンが並ぶ。住まいを探す上でインターネットを利用する割合は年々増加している。もちろん契約に至るには実際の物件を確認してからとなるが、入り口部分でのネットの役割は大きい。
消費者は多くの情報の中から自分の条件に最もマッチした物件を選びたい。しかし、せっかく絞り込んだ物件が「おとり」であったら泣くに泣けない。存在しない架空の物件や、条件が良かった契約済みの物件を掲載し続け、問い合わせがあると「契約になりました」といって他の物件を勧める。こうした「おとり広告」や、「不当表示」といわれる違反広告が依然後を絶たない。
違反広告を監視しているのが不動産公正取引協議会だ。広告のルールを定めた規約と照らし、違反した広告表示を行った不動産会社に対して、調査と処分を行っている。
大半が〝おとり広告〟
関東甲信越エリアを担う首都圏不動産公正取引協議会によると、14年度の調査物件数は1694件。そのうち、最も重い「違約金」を課した不動産会社数は46だった。大半が賃貸物件の「おとり広告」だという。この10年間の推移はグラフの通り。目立つのは、年々ネット広告が増えている点だ。05年は1割にも満たなかったが、14年度は9割を超えている。これを見てもネットが物件探しの中心になっていることが分かる。
そこで同公取協は12年3月、不動産情報サイトの運営会社をメンバーとする「ポータルサイト広告適正化部会」を立ち上げた。現在、アットホーム、CHINTAI、ネクスト、リクルート住まいカンパニー、マイナビ(15年4月1日入会)の5社で構成する。
違反広告防止につながる情報発信のほか、14年からは違反物件情報の共有も始めた。これは、各社が運営するポータルサイトに違反広告があった場合、その情報を互いに共有するというもの。情報を受けた会社は、それぞれ自社の基準で対処する。14年度1年間に4社で共有された全国の違反物件数は2184件。
違反情報を共有
同公取協事務局次長の佐藤友宏氏は「同業会社が集まって情報を共有することはこれまでなかったので画期的だ」と話す。違反広告の情報を共有していることは、各社とも物件を掲載する不動産会社に伝えている。そのため、「1つのサイトで違反広告が見つかると、不動産事業者が自発的に残りの3社のサイトからも広告を取り下げるケースも出ているようだ」(佐藤事務局次長)。
部会では今後もこうした情報共有は継続していく予定。更に、ポータルサイトの質向上に向け、物件に関する用語の統一も進めていく。不動産会社側の入力ミスを防ぐことにもなり、違反広告減少につながるからだ。(井川弘子)
























