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スタンダード会員限定不動産取引に活かすインスペクション 21 注意が必要な窓の断熱改修 タクミプランニングサポート代表 一級建築士溝渕匠

住宅新報 2015年1月13日 号 11面

連載: 不動産取引に活かすインスペクション

住まい・くらし
  • 不動産取引に活かすインスペクション

    1 / 2不動産取引に活かすインスペクション

  • 新築では容易だが改修では手間がかかる断熱材の設置

    2 / 2新築では容易だが改修では手間がかかる断熱材の設置

 今回は省エネに関連した断熱改修について解説します。

 中古住宅を購入してリフォームをする場合、住宅設備の更新や間取り変更と併せて耐震補強を実施することも多いと思います。実は断熱改修を併せて行うことも、大きなメリットがあります。

 断熱性能の向上によって光熱費の削減が期待できるのですが、それには壁や天井裏、床下等に新たに断熱材を設置する必要があります。大がかりな工事となりがちなため、実際のところ断熱改修はあまり普及が進んでいません。ただ耐震改修を行うのであれば、壁の一部を剥がしたりする工事が伴うので、断熱材の新設は容易です。

 ここにきてエコポイント制度が復活するという情報も出てきましたが、前回実施された住宅エコポイント制度では、壁等の断熱改修はあまり行われなかったのが実態です。実施されたのは窓回りのリフォームが主で、二重窓にするケースがほとんどでした。

 ここで住まいの熱の動きについても少し解説しておきましょう。例えば冬場室内が暖まっている状態であれば、熱は室内から室外へと流れていきます。それを食い止めることが断熱材の役割です。住まいの中で最も熱が逃げやすい部分は窓になります。ですから窓を二重にするリフォームや、新築では当たり前になっている複層ガラス(2枚のガラスの間に密閉された空気が入っていて断熱性が高いガラス)が用いられる訳です。窓の断熱性を高めることで、ガラス面の結露発生は当然抑えられます。しかし注意が必要なのは、室内で水蒸気が発生しやすいファンヒーターやストーブを使用する場合、窓の断熱性が向上して結露しなくなった水分は、どこか別のところで結露することが考えられるのです。窓面の結露はなくなったけれど、今まで結露しなかった壁面で発生するようになるといったことがあります。

 このようなことを防ぐためには、やはり壁や天井、床も含めた全面的な断熱改修が必要になります。とはいうものの、コストとの兼ね合いから全面的な断熱改修まで出来るケースは少ないはずです。窓の断熱性を向上した場合には、なるべく室内で水蒸気が発生しない暮らし方、例えばエアコンやホットカーペットを併用するといったような方法を顧客にアドバイスすることも大切です。

 

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