躍進するホテルビジネス ~東京五輪を超えて~(上) オラガHSC社長牧野知弘 外国人と〝団塊〟需要強まる
住宅新報 2014年12月23日 号 3面
〈マーケット状況〉
ホテルマーケットは東京、大阪などの大都市で極めて順調な数値をあげている。観光庁の調べでは14年4月から6月、ビジネスホテルの稼働率は東京で83.9%、大阪でも78.0%、シティホテルでは東京85.5%、大阪83.5%と軒並み高稼働の状況となっている。
好調の背景にあるのは国内経済の回復によるビジネス出張客の増加と国内外の観光客の増加が挙げられる。これらを裏付けるデータとして東海道新幹線の旅客数および航空便の旅客数の推移をみるとわかりやすい。新幹線も航空旅客もリーマンショック後の落ち込みから急速に立ち直っていることがわかる。
また観光需要も活発だ。訪日外国人の数は昨年の1000万人の大台超えから今年は1300万人を伺う増加ぶりだ。増加をけん引するのが中国とASEAN諸国だ。日本国政府が相手国に課していたビザ発給条件を緩和したこともあるが、これらの諸国で経済成長により中間所得層の人口が急激に増えていることが大きな要因と考えられる。東京や大阪のみならず、最近は地方都市でも訪日外国人による宿泊需要が大幅に伸びており、ホテルマーケットは全国的に活況といえる状態になっている。
また国内需要も「団塊の世代」と呼ばれる47年から49年生まれの方々が65歳を迎え、おおむね退職金を手に自由な時間を持つようになったことも大きな要因と言えよう。
こうした中、政府は東京五輪の開催される20年までに訪日外国人を2000万人にする施策を掲げている。この数は単純に計算しても東京圏であらたに1万室(200室のホテルで50棟)の新たなホテルが必要になるとてつもないインパクトである。
次回は、こうした流れを受けてホテルビジネスがどのような進化を遂げているかをみていく。
■略歴=東京大学経済学部卒。三井不動産を経て同社グループのガーデンホテルズ社(現三井不動産ホテルマネジメント)に出向。その後、日本コマーシャル投資法人執行役員を経て現職。著書に「なぜ、町の不動産屋はつぶれないのか」「なぜビジネスホテルは、一泊四千円でやっていけるのか」「空き家問題 1000万戸の衝撃」など。



























