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スタンダード会員限定シリーズ 本気でふるさと創生 ふるさと回帰の新潮流 NPO法人ふるさと回帰支援センター 代表理事高橋公氏に聞く 多様な世代が〝移住〟を検討

住宅新報 2014年10月21日 号 17面

連載: 本気で地方再生

住まい・くらし
  • ふるさと回帰支援センターへの問い合わせ件数

    1 / 2ふるさと回帰支援センターへの問い合わせ件数

  • 代表理事高橋公氏

    2 / 2代表理事高橋公氏

相談件数が増加

 ――田舎暮らしに関する相談件数が増加していますね。

 「昨年7月、月間問い合わせ件数が初めて1000件を超えた。特に11年以降急増している(グラフ参照)。要因として大きいのが11年3月に起きた福島第一原発事故。放射能汚染を恐れる子育て世帯が西日本へ避難移住を希望する件数は今も一定数ある。子を思う親の気持ちは切実で、安心・安全志向は放射能に限らず、食べ物や水など幅広い分野に及ぶ」

 ――センターが当初から支援対象にしていたシニア世代の動きはどうなのでしょう。

 「多くの自治体が、団塊世代のリタイアが始まる07年に照準を合わせ誘致運動を展開してきたが、高年齢者雇用安定法の改正で期待されたほどの一斉退職にはならなかった。雇用延長が終わる今年から、いよいよ本格的に田舎暮らしを検討する人たちが増えるだろう」

 「この世代の受け入れを積極化しているのが山梨県で、昨年6月から有楽町交通会館内にある当センターの情報コーナーにブースを構え、成果を上げている。更に今年3月からは若者にも来てもらえるよう、ハローワークの端末を置いて就職相談にも応じている」

 ――シニア世代に限らず、多様な世代が田舎暮らしを検討し始めたということでしょうか。

 「その通り。問い合わせ件数の世代別割合をみると、シニア、子育て、若者の各世代がほぼ30%ずつに分かれている。こうした傾向は、移住先で多様な世代によるコミュニティーが生まれる可能性も秘めている。また、世代が多様化していると同時に、個々人の移住理由も最近は多様化している」

 ――例えば。

 「災害復興のボランティアとして数週間を過ごしているうちに、そのまま居ついてしまう若者もいる。あるいは、リーマンショック(08年)を機に、都会での暮らしに見切りをつけ、ふるさとにUターンする傾向も目立っている」 「海外生活の経験があるシニア世代は、海外移住を検討する人が増えている。また、ふるさとに住む親の介護が必要になり、リタイアを機に自分も自然との触れ合いを楽しもうと帰省する人もいる」

住まいの確保が先決

 ――政府が地方創生を重要施策として打ち出しました。ふるさと回帰を促進させる好機と思いますが、そのために必要な施策は何でしょうか。

 「移住を計画している人をサポートする組織を整備することだ。そうした機関は自治体や商工会議所などに置かれていることが多い。最近は、地方で働きたいという希望を抱く若者も増えているので、就職のあっせんや、起業を手助けする仕組みも必要だ。当センターでも09年度から『ふるさと起業塾』という研修事業を実施してきている」

 「もう一つ重要なことは住む場所の確保だ。地方は空き家が多い。しかし、今は『仏壇がある』『お盆には帰ることもあるので』など田舎特有のしがらみがあって、なかなか活用できていないのが実態。これらをうまく流通させ、住まいとして提供することができれば、移住に対するハードルをかなり下げることができる」

 ――移住の理由が多様化してきているということは、従来以上に相談や受け入れ側のサポート機能を充実させる必要がありますね。 

 「地方の人口減少はますます深刻化している。その意味でも、ふるさと回帰運動はその重要性が高まっている。当センターは設立して12年が過ぎ、運動を進めるノウハウは出来上がった。今後はこれまでに蓄積した事例や、その後の動向を分析して、一人ひとりのニーズによりマッチした提案を行っていきたい」

 

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