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スタンダード会員限定不動産取引に活かすインスペクション 1 新連載 タクミプランニングサポート代表 一級建築士溝渕匠 プラスに働くインスぺクション

住宅新報 2014年8月19日 号 11面

連載: 不動産取引に活かすインスペクション

住まい・くらし
  • 不動産取引に活かすインスペクション 1

    1 / 3不動産取引に活かすインスペクション 1

 「インスペクション」という言葉を耳にする機会が増えている。ひと言でいうと「住宅検査」ということですが、その中身や活用法について、まだまだ理解が進んでいない印象です。私(タクミプランニングサポート代表)は約十年インスペクションや木造住宅の耐震診断に取り組んできました。その経験から見えてきたこと、それは「不動産仲介においても建物に関する知識が求められている」ということです。この連載では、「インスペクションとはどのようなものか」をお伝えしながら、建物チェックの方法や不動産取引で役立つ建築知識についても解説したいと思います。

 インスペクションを希望されるのはやはり買主が多数です。一生で最も高額な買い物である住宅、やはり「欠陥がないか」不安になる気持ちは誰もが理解できるのではないでしょうか。ただ営業マンの立場に立てば「インスペクションをやったばっかりに、物件の不具合が明るみに出て契約が成立しないのではないか」という懸念が生じるのも理解できます。もし営業の立場で買主から「インスペクションを行いたいのですが」という申し入れがあったとき、皆さんはどのように対処されるでしょうか。

 10年前、インスペクション業務を始めた頃、営業マンから「物件のあら探しに来たんだろう?」と言われることも少なくありませんでした。インスペクター(住宅検査員)は商売の邪魔をする「敵」であるという扱いに私も困惑したものです。我々インスペクターは「物件のコンディション」を第三者の目で客観的にチェックすることが使命であり、依頼者の購買における意思決定に関わることはありません。私の経験でも雨漏りの跡があったり、一部基礎に亀裂があったりしても直ちに購入を見送る判断をされる方はほとんどいませんでした。買主にとっては「立地」等条件が希望と合致しているわけですから、やはり購入したいわけです。つまりインスペクションの結果は、購入意思決定の最重要項目というよりも購入するかどうか「最後に背中を一押ししてもらうため」のものという印象です。

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