生徒 ○△先生、最近、「私募リート」ってよく耳にするのですが、どういうものなんですか。
教授 いいところに目を付けたじゃないか。今、私募リートに投資したい年金基金や金融機関などが行列をつくっているという話を私も最近聞いたばかりだ。私募リートは、正式には非上場オープンエンド型不動産投資信託というんだ。10年に運用を始めた野村不動産プライベート投資法人が日本初で、過去5年間で8つの私募リートがスタートし、現在運用されている。
生徒 Jリートと比べると数が少ないですね。
教授 確かにJリートや私募不動産ファンドの数と比べるとまだ少ない。だが投資家のニーズは高いようで、今年は既に2つの私募リートがスタートした。今後も商社系など複数の私募リートの運用開始が続くと見込まれているところだ。運用資産もJリートの約11兆円、私募ファンドの約16兆円と比べると、現在まだ7000億円規模と少ないが、新規参入によって近いうちに1兆円を超えてくるとみられている。
生徒 どんなところが投資家のニーズに合致しているんですか。
教授 不動産投資信託は、ミドルリスク・ミドルリターンを標榜しているように、不動産による運用で安定した配当が投資家にとって魅力といわれていた。確かに配当は安定しているのだが、08年のリーマンション以降のように、例えばJリートは株式市場の相場下落の影響を大きく受けて投資法人の投資口価格も軒並み大きく値下がりし、投資リスクが顕在化したんだ。
生徒 私募リートは上場していないので、株式相場などの影響を受けない点がメリットになるということですね。
教授 その通りだ。Jリートとも違うが、同じく非上場の私募不動産ファンドとの違いも私募リートの特徴だ。私募ファンドは、一般的に3~7年程度と投資期間が定められた不動産投資信託で、期限が到来すると資産を売却して投資家に還元する仕組みになっている。リーマンショックの時のように不動産価格が下落した時期に、期限が到来すると値下がりしたままの価格で資産を売却しなければならなくなる。出資した投資家は元本割れという大きなリスクにさらされることになってしまうんだ。
生徒 その時期に期限を迎えた私募ファンドはすべてそうなってしまったんですか?
教授 いや、そうでもなかったようだ。価格が下落したままやむなく資産の売却を余儀なくされた私募ファンドもあったが、リファイナンスができて売却時期を先延ばしできた私募ファンドもあった。先延ばした私募ファンドの中には、不動産価格の相場が回復してから売却できたものもあって、投資家の損失を抑えることができたわけだ。投資期限を定める私募ファンドに対して、私募リートは運用継続が前提になっており、この点も利点になっている。ちょうどJリートと私募ファンドの長所を併せ持って、実物不動産投資により近い形で投資できるところに、私募リートの長所がある。
生徒 個人でも投資できるのですか。
教授 残念だが主な対象となる投資家は個人ではなく、預かった金融資産を低リスクで運用することが求められる年金基金や金融機関などが中心だ。
私募リートは、いくつかの投資法人が先行したものの、それらの増資や新規参入はこれからが本番といえそうだ。投資商品と特性についての認識が浸透すれば、引き続きニーズが高まっていく可能性は高そうだ。

























