更に発展するJ-REIT市場 ヘルスケアなど運用対象も多様化 1 上昇するJ-REIT価格 好調なビル賃貸事業がけん引
住宅新報 2014年6月24日 号 20面
J-REITの値動きを示す東証REIT指数は、14年に入ってから、5月中旬までは概ね1430ポイント~1510ポイントの範囲で比較的落ち着いた動きを示していたが、5月27日から上昇傾向が強まり、本稿執筆時(6月5日時点)では、1540ポイント前後で推移している(図表1)。筆者は、J-REITの主な価格決定要因を、(1)収入源である実物不動産の市況、(2)投資家の需給関係、(3)金利動向の3つと考えている。最近の東証REIT指数の上昇は、このうち、(1)と(2)がプラスに作用したためと考えられる。
(1)の実物不動産市場については、14年5月末時点で、J-REITの運用対象の内訳は、オフィスビルが47.7%、商業施設が20.8%、住宅が17.8%、物流・インフラ施設が10.8%、ホテル・シニア施設が2.9%となっている(取得額ベース、みずほ証券調べ)。このうち構成比が最大のオフィスビルについては、東京23区では12年に、過去30年間で第3位の大量供給があったが、13年の供給量は前年の3分の1に激減し、14年の供給量も12年の半分程度にとどまる見込みである(森ビル調べ)。
一方、日本経済の回復に対する期待から、一部の外資系金融機関が人員を増強するなど、オフィス需要は増加傾向にある。また、オフィス賃料が底値圏であることを好機と捉えて、交通利便性や設備グレードなど執務環境の改善を図るテナント企業が増えている。この動きを反映して、東京都心5区における新築ビル(竣工後1年未満のビル)の空室率は、12年5月末には39.16%に達していたが、同年6月以降は低下傾向に転じた(図表2)。この空室率は、13年5月末に11.10%まで低下した後、やや上昇傾向が出ており、14年2月以降は20%前後で推移している。これは、ビル市況が悪化したわけではなく、ビルオーナーがテナントを募集する方針が変化したためと考えられる。12年はビル供給量が多く、テナントがライバルのビルに流出する可能性が高かったため、多くのビルオーナーは、賃料を無理に引き下げ「貸し急ぎ」をする傾向があった。しかし、13年以降はビル供給量が減少しテナント流出の懸念が低下したため、高めの賃料を設定するビルオーナーが増えた。このため、新築ビル空室率はデータとしては上昇傾向に転じたが、立地条件や設備グレードなどの点で優位性が高いビルには、満室または高稼働率を達成した例が増えている。

























