住宅特化型で最大規模リート ADインベストメント・マネジメント高坂健司社長に聞く 契約賃料、半数が前年比上昇
住宅新報 2014年7月1日 号 3面

ADインベストメント・マネジメント高坂健司社長
住宅特化型Jリートの中で最大の資産規模をもつアドバンス・レジデンス投資法人は昨年4月、Jリートでは初めてサービス付き高齢者向け住宅を運用資産として取得した。同投資法人の資産運用会社であるADインベストメント・マネジメントの高坂健司社長に、ヘルスケア施設に対する投資方針や賃貸住宅市場について聞いた。
――サービス付き高齢者向け住宅(「ココファン日吉」)を取得して1年が過ぎた。状況はどうか。
「運用状況は当初想定通り、順調に推移している。入居待ちの人も相当数いる状態だ」
「国土交通省がサ高住などヘルスケア施設の取得・運用に関するガイドラインを策定したので、それに沿って社内体制を整備し、物件の状況把握を行ったところだ。物件調査の仕方は、従来の運用資産である賃貸住宅とは大きく違う。情報開示などオペレーターの理解・協力がないと進まない。『ココファン日吉』のオペレーターである学研ココファンには、十分な説明をしてもらっている」
――今後の取得予定は。
「昨年の取得以降、次々と物件紹介情報が持ち込まれているという状況ではない。高齢者住宅は、個人地主が遊休地活用として建設したケースが多く、規模も大きくはない。投資効率を考えるとあまり小ぶりな建物は合わない。規模や立地、利回り水準、そしてオペレーターが情報開示などに理解があるか。こうした条件に見合う物件があれば取得を検討していく」
――最近の賃貸市場はどうか。
「現在、資産規模は221物件・4176億円で、シングル・コンパクトタイプが7割超を占める。稼働率は96%台と高稼働で推移している。今年2~4月には、約1000件の新規契約があったが、その約半分は前よりも高い賃料で契約できた。昨年までは減額した賃料での契約数のほうが多かったが、今年は反転した」
――一般的に賃貸住宅市況は回復基調とは言えないと思うが。
「我々が所有している物件は、長期修繕計画を立て、それに沿って建物に手を入れている。高稼働している要因の一つだ。実際に築20年を過ぎた物件でも、共用部の修繕工事を行ったところの賃料は維持できているし、専有部のバリューアップ工事を実施した住戸では、それまでよりも高めの賃料で成約できた」
――物件取得環境はどうか。
「確かに物件価格は上昇傾向にあり、厳しい。ただ、無理にでも物件を取得して資産規模を増やさなければならない段階ではないので、あくまでも期待する利回りが確保できる物件のみを選んで取得していく方針だ」
――建築費が高騰しているが。
「開発を前提とした場合、コストが高くなってくるので、期待利回りとのギャップが生じる可能性がある。業界全体として頭を悩ませていることだ。今のリートが求める適切な利回り水準の物件が少なくなっているため、物件価格を引き上げているともいえる」
「今、2つのファンドに出資しており、そこに優先交渉権のある物件が19物件・200億円規模ある。スポンサーである伊藤忠グループの開発物件も含めて、それらを適切なタイミングで取得し、一口当たりの純利益を引き上げていくのが基本方針だ」
(井川弘子)
























