ニッセイ基礎研レポート「ヘルスケアリート成功の鍵は」 オーナーブランド確立を 事業運営の柔軟性検討も
住宅新報 2014年5月13日 号 3面
ニッセイ基礎研究所金融研究部の岩佐浩人主任研究員はこのほど、「ヘルスケアリート成功の鍵を考える」と題したレポートをまとめた。ヘルスケアリートが今後普及するためには、高齢者住宅の物件調査や継続的なモニタリングを通して優良施設を多数所有し、シニア住宅を探す人々に「自宅に勝る終の棲家」を提供することができる〝オーナーブランド〟を確立することが大切と指摘した。更に、米国の成功に学び、将来的にはJリートが柔軟性の高い事業運営を行う是非についても検討が必要になるとの見方を示した。
ヘルスケア施設は、有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅、病院・医療モールなどを指す。現在、政府では高齢者向け住宅供給を促進するため、Jリートの資金調達力に着目し、官民一体でヘルスケアリート創設に向けた環境整備を進めている。早ければ今秋にも第1弾が上場する見込みだ。
レポートではヘルスケアリートについて、オフィスビルや商業施設など従来型の不動産とは異なる投資リスクがあると指摘。具体的には、(1)オペレーターがリートに支払う賃料は介護保険の給付を原資とするケースが多いため、将来の制度改正リスクがあること(2)オペレーターが経営破たんした場合でも施設の性格上、サービス継続に向けたオーナーシップを全うしなければならないこと(3)シニア向け住宅の不動産価値はソフト面の比重が高いとされるが、Jリート自体はソフト面の付加価値を創出する手段を持ち合わせていないこと――を挙げた。
一方、シニア向け住宅を探す高齢者やその家族にとっては、優良な住宅・施設(働く職員にとっても働きがいがあり、所有者にとっても長期安定的な賃料をもたらす優良不動産)に独力で巡り合うには相応の手間暇がかかるという面がある。そこで、レポートでは、ヘルスケアリートがオペレーターの評価を充実させ、そういった住宅を探す人々に「自宅に勝る終の棲家」を提供するオーナーブランドを確立することができれば、更なる成長への道を開くことになるとした。
























