オフィスビルに新指標 賃貸借の空白を数値化 ザイマックス総研の「ダウンタイム」
住宅新報 2014年2月4日 号 9面
テナントオフィスビルの市場競争力を図る平均賃料や空室率が既に定着しているが、これに加えて「ダウンタイム」(空室期間)という新たな指標が登場した。前テナントの契約終了から新テナントの契約が決まるまでのオフィスの空室期間を数値化したものだ。オフィスビルの運営を手掛けるザイマックスグループのザイマックス不動産総合研究所が、市場の透明性を高めることを狙いに開発した。
同研究所の中山善夫取締役(写真)は、「収益のロスとなるダウンタイム(空室期間)は、入居率の裏返しとなる指標。ビルオーナーや投資家の関心の高い項目にもかかわらず、その実態を的確に表す指標がこれまでなかった」と開発の意図を語る。
調査分析では、グループが運営する12年度内(12年4~13年3月末)に新規入居が開始された区画360事例(12年度末時点で空室区画は除外)を対象として抽出。その結果、12年度中に契約が開始した区画のダウンタイムは、東京都心5区3カ月(90.5日)、東京23区内(164事例)約3.3カ月(98.5日)、その他地域6.5カ月(196日)だった。23区で「ダウンタイム」が0日だった割合は約17%に上り、また約5割の区画においてダウンタイムが「3カ月以内」だったなどの傾向も分かった。
指数化にあたっては通年空室だった区画、新規契約開始後となるフリーレント期間を除外。期間内に入居が開始された区画に限定した。またダウンタイム期間は、全国ベースでは7割が「1年以内」と偏った一方で、空室期間が3、4年と長期の区画も存在することから、平均値ではなく中央値を採用し、より実態を表す工夫を加えた。
開発の経緯は、不動産投資・評価の定番ツール「アーガス」に契約開始、終了時の入力項目が設けられている点に着目した中山氏が、積極的に開示すべき指標として発案。「『アーガス』の分析結果とほぼ近いダウンタイム期間が、新指標からも得られた」(同氏)としている。
今後、精度の向上を図りつつ、年1回の頻度で分析結果を開示していく予定だ。


























