地域マネジメント学会 「地域」論考 在り方と提言 2 大地震発生に備える -マンション生活継続計画(MLCP)の検討
住宅新報 2013年4月16日 号 11面
連載: 「地域論考」
首都直下地震が発生した場合の経済的被害は少なくとも112兆円を超えるといわれている。これから本格的な少子高齢人口減少を迎える日本にとって、国の存亡にかかわる事態となる。大地震の発生を防ぐことはできないが、人的、物的な被害を少なくする減災に努めることはできる。各種施設の耐震補強などハードの災害対策を急ぐ必要があることはいうまでもないが、これには多額の資金と時間がかかる。ハードの整備と並行して、資金や時間が比較的かからないハート(心と意識)やソフト(制度や仕組み)の備えを進めることが重要である。
その一つとしてマンションの減災力の強化がある。阪神・淡路大震災と東日本大震災、この二つの悲劇のなかで不幸中の幸いといえるのは、マンションの建物内で死亡者がほとんど出ず、シェルターとしての機能を果たすことが証明されたことである。地震国である上に、火災に弱い木造建物が中心の日本では、堅固な不燃構造の建物を普及することが大きな課題だった。この重要な課題の解決に寄与しているのがマンションの普及である。
今後、高齢化と人口減少が続くなかで利便性の高い都市部に人口が移動することが予想され、マンション居住者は、なお増加すると考えられている。首都圏をはじめ全国各地で大規模な地震の発生が懸念されるなかで、火災の広がりを防ぎ、人命を守ることができるマンションが、都市住宅の主流となりつつあることの意義は大きい。

















