細野透×殿木真美子 旬な作品 住宅レビュー 108 固定全量買取制度を採用 マンションが太陽光発電所に 「レーベン新川崎デュアリズム」 タカラレーベン
住宅新報 2013年2月19日 号 10面
連載: 旬な作品 住宅レビュー

3棟構成の建物外観。屋上いっぱいに470枚のソーラーパネルが敷き詰められる
首都圏初の戸別太陽光発電を採用した「レーベンハイム光が丘公園」(11年7月竣工)を皮切りに、現在戸別太陽光発電マンションの供給実績が全国第1位と、太陽光発電マンションをリードするタカラレーベンが、固定価格全量買取制度を取り入れた「レーベン新川崎デュアリズム」(川崎市中原区上平間1161)を発表した。
固定価格全量買取制度とは、自然エネルギーの普及・促進を目的に昨年7月から施行された制度で、再生可能エネルギーで発電した電力を電力会社が固定の価格で買い取ることを義務付けた制度である。
これまでは、太陽光で発電した電力はまず家庭等で消費して、余った分を電力会社に売電するという「余剰電力の買取制度」が用いられていたが、今回の制度の誕生で、発電した電力のすべてを固定価格で売電することが可能となった。
しかし、全量を売電するということは、マンション内では太陽光で発電した電力を使えないことになる。
戸別太陽光では、自然エネルギーを専有部で使うことができる、「見える化」によって節電意識が高まる、などの楽しみがあったが、今回はそれがない。せっかく屋上に太陽光パネルがあるのに…ともったいない気がして、タカラレーベン第2営業部2課課長の鶴岡伸浩氏に聞いてみた。
「固定買取価格、つまり売電したときにもらえる金額は1キロワット当たり42円、買電価格は24円です。今回の制度を一言で言うと、この売電と買電価格のギャップを利用したものなのです」。
つまり、42円で売れる電力を使ってしまうより、消費する分はすべて24円で買い、発電した分をすべて売れば、キロワットあたり18円の得になる。
発電した電力を「使う」という発想を捨てて、マンション内で使う電力は安く購入し、自設備でつくった電力を高く売る。いわばマンションの屋上が小さな発電所となり、マンション全体で発電事業を行う、というイメージだ。
しかも、42円という買取価格は今年3月までのプレミア価格で、来年からは早くも37~38円程度に下がると言われている。その上、今申請すればこの価格が20年間保証されるのだ。
物件では戸当たりおよそ月2500~3000円程度が還元され、管理費と相殺される予定。タカラレーベンではこの制度の採用によって、マンションに導入されるエコキュートの節電効果と合わせて、光熱費が約45%カットできると試算している。
ところで、物件はJR横須賀線新川崎駅から徒歩14分、JR南武線鹿島田駅から徒歩13分の、住宅街に位置する。
新川崎は、川崎駅周辺、武蔵小杉に次ぐ川崎第3の再開発エリアだが、実際に歩いてみると、まだまだ駅前も開発途中という印象だ。物件から半径6キロ圏内に昨年供給されたマンションは約3500戸。今年も同程度が供給される予定で、今後ますますの発展が期待される。「このエリアについては、これから坪50万円は高くなる」とは鶴岡氏の談。
第1期販売は2月下旬予定で、62m2が3200万円台~。モデルルームオープンからひと月で来場者は100組以上、「光熱費45%オフ」に大きな魅力を感じる人が多いそうだ。
設計・施工は長谷工コーポレーション。竣工は13年11月下旬を予定している。 (殿木真美子)
とのき・まみこ=住宅ジャーナリスト。「ゆとり生活」をテーマとする雑誌の編集者を経て、05年から住宅分野に注力。新築・中古を問わず、年間数十件ベースでマンションを取材。〝主婦目線〟を心掛ける。

















